2024年2月4日付の「Abema Times」が、
『「1時間弱って何分?」「鉛筆なめなめは気持ち悪い」日本語はムズかし過ぎ? 誤用も多い“曖昧な表現”』
と題した記事を報じていました。
以下に、この記事を要約して、考察しました。
《記事の要約》
若者と中年世代の間で、日本語の理解に関するギャップが広がっているという問題が浮き彫りになっています。
大東文化大学の山口謠司教授は、世代間で異なる日本語の解釈について言及し、若者からは現代の言い回しや比喩表現が理解しにくいとの声が上がっています。
特に、「1時間弱」のような曖昧な表現や、慣用句の意味が通じなくなっていることが指摘されています。
社会人4年目のSEであるどくみる氏は、職場で遭遇する比喩表現について言及し、文脈によって意味が変わる言葉に対して直接的な表現を望んでいます。
また、全員が同じ認識を持っている言葉は少なく、より直接的な表現の使用が望ましいとしています。
お笑い芸人のパックンは、日本語の紛らわしさに言及し、間違った用法が一般化している例を指摘しました。
山口教授は、言葉が変化するものであり、皆が使う言葉が最もわかりやすいという見方を示しています。
また、「遠慮してください」という表現に関する解釈の変化を例に挙げ、現代のコミュニケーション不足が背景にあると分析しています。
記事では、日本語の難しさや、漢字・ひらがな・カタカナの表記方法、男女による言葉遣いの違いが、日本語学習者を悩ませる要因として挙げられています。役所や公共交通機関では、「やさしい日本語」の使用が増えており、文化庁のガイドラインでは、より簡単な表現が推奨されています。山口教授は、語彙力の低下と本を読まなくなったことが、簡単な言葉を使う流れに影響していると指摘し、パックンは、日本語の難しさが持つ魅力を守ることの重要性を強調しています。
(要約、ここまで)
「実は伝わっていない日本語大図鑑」によれば、以下のことばも、最近は、伝わっていないケースが多いそうです。
・足が出る:支出が予算を上回ること
・色を付ける:報酬の上乗せや値引きをして温情を示すこと
・よしなに:ちょうどよい具合によろしく
・一丁目一番地:最優先事項
・全員野球:一致団結
・鉛筆なめなめ:数字を多少ごまかす
・・・
私の世代であれば、これらの言葉を会話や文章に含めて表現しても、まず、100%伝わります。
しかし、どれもこれも「比喩表現」なので、生活様式や価値観が変化している現代では、「相手に伝わらない可能性」は高いでしょう。
そもそも、比喩表現は、「相手に直接表現で言うのは野暮だし、暗黙の事項として理解して行動してね」という忖度文化です。
ネット社会においては、短文が好まれ、または、責任回避、不適切表現による「バン回避」から、隠語で表現することも多いですが、上記に挙げた比喩表現も似ている面があります。
たとえば、「頑張ってくれたから、アルバイト料を上乗せしておいたよ」というのは露骨なので、「アルバイト料に色を付けておきました」となるわけです。
ただ、読書習慣が減ったことや人との会話によるコミュニケーションが減ったことによる現代人の「語彙力低下」はもちろん、日本国内で活動する外国人が増えたことにより、「直接的表現」や「わかりやすい平易なことば」を使うことは積極的に意識せざるを得ないと思います。
したがって、ビジネスメールや観光案内など「誤解を招くと大変なこと」は、「直接表現かつ平易な単語」を使用するのがスタンダードなのでしょう。
個人的には、「察して」が前提にある、ニュアンスで敢えて伝えたい比喩表現文化は、好きなんですけどね。
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