マネジメントシステム審査の仕事を始めた頃は、頭の中に、「何を確認すればよいのか」という点が整理されていなかったため、必死になって、組織を訪問する前に「確認事項を箇条書きで羅列したチェックリスト的なもの」を作っていました。

 

今では、例えば、廃棄物に関する確認をする場合、

◆委託基準は順守できているか

・書面による委託契約の締結をしているか

・契約書は保管されているか

・許可業者へ委託してるか

・許可証を管理しているか

◆処理責任

・事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任で適正に処理しているか

・保管場所の表示は適正か

・適切な保管管理状態か

◆管理票交付義務

・産業廃棄物の処理を処理業者に委託する場合、マニフェストを交付しているか

 ・交付したマニフェストが返却期限内に戻ってきているか

 ・産業廃棄物管理票交付等状況報告書を都道府県知事に提出しているか

◆委託した場合の最終処分までの注意義務

・廃棄物処理の一連の工程の処理が適正に行われているか、現場確認等をしているか

・・・

といったことが頭に入っているので、チェックリストを手元に出していなくても、自然に確認できます。

ただ、審査員訓練の指導を担当する場合や実地検証を受ける場合は、「目視でこれらを確認している」のですが、ある程度、言葉に出さなければ、訓練生や検証員には、「何を確認していたのか」が伝わらないので、普段の審査よりは、意識的に「言葉として発する」ことをしています。

 

ただ、このように、例えば、組織内を巡回して、施設・設備を見て、「自然と主な確認事項をチェックできるようになる」には、振り返れば、時間が掛かったように思います。

審査員ビギナー当時に作成した「地上タンク」の確認事項例を、以下に記載しておきます。

《屋外地上タンク》

・物質の種類

・貯蔵容量と必要な届出の有無

・法定管理者(例:毒劇物取扱責任者、危険物取扱者)の有無

・必要な表示(例:毒劇物、危険物、規制数量)の有無

・防液堤、防油堤が適切か(貯蔵量に見合っているか)

・注入時の管理は適切か(例:組織の立会、漏洩等緊急時対応手順)

・緊急事態発生の可能性はないか(例:搬入頻度、バルブの位置、遮断施設の有無等)

・緊急事態王手順と備品管理は適切か

・被害の可能性を想定し、想定に見合った対応手順や訓練をしているか

・水抜きバルブの開閉状態は適切か

・堤内の管理は適切か(例:汚れや亀裂)

・タンクの管理状態(例:腐食や錆、亀裂等)

・・・

 

少し話は逸れますが、仕事で、検証審査を担当することがあります。

ベテラン審査員や業務に精通している審査員は、実際の現場の状況や管理記録類をざっと確認すれば、おおよその組織の管理状態とレベルがわかるようです。

しかし、「検証審査」という立場だと、具体的に、何をどのように確認したのか、客観的に記録に残したいのです。

しかし、なかなか「聞き取りなど言葉にしている以外の確認」は、見えにくいので、あとで、審査員に「どのように確認していたのか」を念押し的に確認するのですが、この確認時の言葉遣いを誤ると、相手は「プライドを傷つけられた」を勘違いして、怒り出す方がいるので、注意が必要です。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ842号より)

 

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