2023年9月23日に、八戸市保健所が、2023年9月15、16日に青森県八戸市の駅弁製造・販売会社の「吉田屋」で製造された駅弁を食べた人が、食中毒症状を発症した原因(可能性)を発表したという報道が読売新聞オンラインでありました。
以下に、この記事を要約しました。
《記事の要約》
2023年9月23日、青森県八戸市の駅弁製造販売会社「吉田屋」製の弁当を食べた者が全国で下痢や嘔吐を訴える食中毒事件が発生した。
八戸市保健所は食品衛生法に基づき、同社に対して営業禁止処分を行った。
食中毒の被害者は1都20県の270人に上り、9月15、16日に製造された10種類以上の弁当が原因であることが確認された。
未開封の弁当や患者から黄色ブドウ球菌やセレウス菌が検出された。
吉田屋は、HPで謝罪し、一部弁当に県外業者から仕入れた米飯を使用し、その管理不足が原因である可能性を指摘。
八戸市保健所は食材の調査を進めている。
《黄色ブドウ球菌とセレウス菌が米飯から検出された原因》
一般論ですが、米飯から、黄色ブドウ球菌が発生する原因の多くは、“手指に傷がある状態で、素手で調理を行うことで、ぶどう球菌が付着し、そのぶどう球菌が食品上で増殖、毒素を産生する”ケースが殆どです。
また、セレウス菌の発生は、「炊いたごはんの間違った保存」が原因でしょう。なぜなら、セレウス菌は増殖する過程で毒素を産生するため、炊いてすぐのごはんは、問題なく、常温で長時間放置していると、セレウス菌が増殖してやがて毒素を産生するからです。
以下に、原因の可能性をまとめてみました。
〈黄色ブドウ球菌の検出原因〉
a) 温度管理:
米飯は通常、黄色ブドウ球菌の増殖に適した温度で保存されなければなりません。温度が高いと、黄色ブドウ球菌が急速に増殖する可能性があります。
b) 交差汚染:
他の汚染された食品や器具から黄色ブドウ球菌が移動し、米飯を汚染する可能性があります。
c) 不十分な調理:
米飯が十分に調理されていないと、黄色ブドウ球菌が残留し、増殖する可能性があります。
d) 長期保管:
米飯を長時間保管すると、黄色ブドウ球菌の増殖の可能性が高まります。
e) 手洗いの不徹底:
料理人やスタッフの手洗いが不十分であると、手から米飯に黄色ブドウ球菌が移動する可能性があります。
〈セレウス菌の検出原因〉
a) 温度管理不足:
適切な温度で米飯を保存しないと、セレウス菌の孢子が増殖しやすくなります。
b) 遅れた冷却:
米飯を調理後すぐに冷却しないと、セレウス菌が増殖する可能性があります。
c) 再加熱の不十分:
米飯を再加熱する際に十分な温度に達しないと、セレウス菌を除去できません。
d) 交差汚染:
他の食材や器具からセレウス菌が米飯に移動する可能性があります。
e) 長期保管:
米飯を長期間保管すると、セレウス菌の増殖の可能性が高まります。
《吉田屋の再発防止策》
以下の再発防止策を実施する必要があるでしょう。
a) 食材の厳格な温度管理: 食材の保管と輸送時に温度を適切に管理することが重要。
b) 供給先の監査: 供給元の衛生管理が適切であることを確認し、定期的に監査を行う。
c) 従業員の衛生教育: 従業員に食品衛生に関する継続的な教育を提供し、意識を向上させる。
d) 定期的な衛生チェックとモニタリング: 会社の衛生状態を定期的にチェックし、必要に応じて改善措置を講じる。
e) 消費者への透明性: 事件の進捗や再発防止策に関する情報を消費者に公開し、信頼を回復する。
一般人の感覚的には、「吉田屋の駅弁は、海鮮系が多いので、傷んだのかな」と考えますが、弁当製造の衛生管理としては、「ごはん」の管理がかなり重要です。
吉田屋のHPを「お弁当一覧」を見ると、購入した経験がある駅弁がいくつかあり、個人的には、「特選こぼれイクラとろサーモンハラス焼き弁当」は、複数回、食べたことがある比較的、お気に入りの弁当です。
吉田屋の駅弁は、「製造・販売」の責任が吉田屋にあるので、「外注加工の米飯の衛生管理」と「弁当の流通過程の衛生管理」に改善の鍵があるように思います。
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