2023年9月13日に、岸田内閣の改造人事が発表されました。

改造内閣には、女性議員が5名選出され、表面的には、目新しさがあるものの、当選回数による順送り人事の感は否めません。

また、この組閣に対しては、「思い通り結果」と評価する派閥がある一方、「屈辱的な結果」と評価する派閥もあるようです。

9月13日付の読売新聞の記事をまとめてみました。

《記事の要約》
岸田首相は、9月13日の内閣改造において、党内6派閥ごとの閣僚の起用人数を、改造前とほぼ変わらない形で維持する配慮を見せた。

主流とされる茂木派と麻生派はこの人事に満足している様子で、茂木派は党四役の2ポストを確保し、3人が閣僚に起用されたことを歓迎。

麻生派も4人の閣僚を確保し、派閥の要望がほぼ反映されたとしている。

 

他方で、最大派閥の安倍派は4人の閣僚確保にも関わらず、派閥の規模に見合わないとの不満を漏らしている。

また、非主流派である二階派は人事調整過程で首相側から閣僚起用を1人に減らす提案を受けたことを明かし、怒りを見せている。

 

首相が率いる岸田派は党内基盤が弱く、今回の内閣改造で1人増の2人を閣僚に起用。

首相は今後、党役員や副大臣・政務官人事などでも各派閥の要望を反映させようとしているが、限られたポスト数が現実として存在している。

このため、非主流派の不満が収まらなければ、党内の不安定化が進む可能性もある。

(記事の要約、ここまで)

 

相変わらず、組閣は、「適任者より派閥力学」が優先されるようです。

古くは、民間人の大臣選出もありましたが、今の時代は、派閥の求心力維持のために、党幹部や大臣ポストをどれだけ確保出来るかがポイントで、客観的には、国民不在の選出です。

 

別の見方をすれば、大臣としての在職期間は、それほど長くないので、「誰がやっても同じ」、「大臣経験者という肩書きのため」という発想が、多くの国会議員の考えであり、総理は、「政権を安定して支えてくれる派閥のための人事」という発想で決めているのでしょう。

 

多くの政治アナリストの話しを聞く限り、衆院解散は、早ければ今秋、遅くとも2024年9月の自民党総裁選の前に実施することになるようです。

物価上昇、インボイス制度、消費税増税・・・などを考えれば、先に進むほど、見通しの暗い日本経済なので、「今のうちに解散」した方が、岸田政権へのダメージはすくなさそうですが、2024年の解散では、おそらく、自民党政権への国民の風当たりは、相当強くなっているはずです。

 

さて、日本の政府体制は、衆院第一党の党首が内閣総理大臣(首相)になる仕組みとなっています。

今さらですが、この仕組みのメリットとデメリットを整理してみました。

〈メリット〉

◆統一された指導力:

党首と首相が一致することで、政府と与党が一致団結して政策を進めることが可能になります。これにより、政策の推進力が増し、迅速な意思決定が可能になります。

◆政策の一貫性:
選挙で掲げた公約を政府がそのまま実行することが容易になります。

◆責任の明確化:
党首と首相が同一人物であることで、政策失敗時の責任が明確となり、政治的責任を取ることが一層明確になります。

 

〈デメリット〉

◆党内の異なる意見の排除:
一人のリーダーがすべてを掌握する体制は、党内で異なる意見や立場を持つ人々の声を抑えがちになります。

◆人材の限定:
首相と党首が同一人物であることで、他に有能な人材が首相になるチャンスが限られる可能性があります。

◆首相の負担増:
党首としての役割と首相としての役割を一人が担うことで、その負担が非常に大きくなります。

 

つまり、現在の政府体制は、政策推進力と政策の一貫性の確保、及び責任の明確化を重視する一方で、党内の多様な意見の排除や人材の限定、首相の負担増というデメリットも存在します。

また、現状の仕組みが国民の支持を受けていると言われ、「総総分離」には、抵抗感を示す国民が多いのが現状かもしれません。

 

【好評発売中!】

『できるビジネスマンのマネジメント本』(玄武書房)

https://www.amazon.co.jp/dp/4909566066/

 

【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】↓

(パソコンでアクセスしている方)

http://www.mag2.com/m/0000218071.html

(携帯でアクセスしている方)

http://mobile.mag2.com/mm/0000218071.html

Twitter:https://twitter.com/ariga9001