中古車自動販売大手の「ビックモーター」の損害保険金不正請求問題について、ようやく雑誌や新聞メディアだけでなく、地上波テレビ局の報道も目につくようになりました。
ご承知の方も多いと思いますが、「ビックモーター」は、事故による修理のために入庫した車両の修理費を水増しして損害保険会社へ請求していた証拠が、次々と報道されています。
以下に、2023年7月15日にテレビ朝日が報道したニュースの概要とこの問題の原因と再発防止策を考察してみました。
《テレビ朝日の報道の概要》
中古車販売大手ビッグモーターの一部従業員が、不適切な方法で保険金を不正請求していた問題について、第三者委員会が調査を行いました。
調査対象の修理担当従業員382人のうち、104人が「不正な作業に関与した」と回答し、さらに68人が「不正な作業への関与を見聞きしたことがある」と回答しました。
これは、約4人に1人が不正行為に関与していたことを示しています。
また、不適切な行為が現場レベルで蔓延しており、一方的な降格処分も頻発していました。
この事から、第三者委員会は、「経営陣からの指示に従い、これを忖度するいびつな企業風土が醸成されていた」と指摘しています。
《ビッグモーターの保険金不正請求の原因》
◆不適切な企業風土:
経営陣からの指示が従業員に対し、不正行為を行うよう促していたとされる。これは、組織内での不適切な文化や風土が存在したことを示しています。
◆目標達成圧力:
一部の従業員が高い販売や利益目標を達成するための圧力により、不正行為を働いた可能性があります。
◆倫理教育の欠如:
従業員に対する倫理的な教育や訓練が不十分であった可能性があります。
◆不適切な監督・管理:
不正行為が発覚するまで長期間にわたり、企業内で問題が発生し続けたことは、適切な監督や管理が行われていなかったことを示唆しています。
◆人事評価の問題:
一方的な降格処分が頻発していたという点から、人事評価制度やキャリアパスが不透明であった可能性が考えられます。
《ビッグモーターの保険金不正請求問題を再発防止するための対策》
◆企業倫理の強化:
企業全体での倫理教育を強化し、従業員が正しい行動をとることを理解し実践できるようにする。
◆内部監査の強化:
内部監査を強化し、不正行為が早期に発見できる体制を整える。
◆透明性の確保:
経営陣の意思決定過程や企業の方針について、透明性を確保し、従業員やステークホルダーに対する説明責任を果たす。
◆人事評価の改善:
人事評価制度を見直し、個々のパフォーマンスだけでなく、倫理的行動やチームワークを評価する要素を取り入れる。
◆ホットラインの設置:
従業員が不正行為や疑わしい行動を安全に報告できる内部ホットラインを設置する。このホットラインは、従業員が報復の恐れなく情報を提供できるよう保証すべきです。
それにしても、ビックモーターのこの問題は、今年の春先には、雑誌メディアなどで報じられていましたが、テレビでは、あまり、報道されてこなかったように思います。
ビックモーターは、テレビCMをバンバン流していたので、広告主への「忖度」があったのだろう、と思います。
月並みですが、従来メディアだけを見ている人は、世間で起きていることや世の中の流れについて行けなくなる時代だと思います。
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