2023年6月16日に、RSK山陽放送が、岡山県にあるホテルグランヴィア岡山で、料理長の指示で賞味期限を過ぎた食材が客に提供されていたことを報道していました。
この報道の概要と想定される賞味期限書き換えの原因と再発防止策を考察してみました。
《RSK山陽放送の報道の概要》
岡山市北区のホテルグランヴィア岡山では、2022年2月から2023年6月5日までの期間に、賞味期限を過ぎた食材が約100食提供されていたことが発覚しました。該当する食材は「海老しんじょう(冷凍)」と「穴子長焼き(真空冷凍)」で、賞味期限を書き換えたものがあったことも判明しています。この行為は、料理長の指示のもと、スタッフが賞味期限を1年以上延ばして書き換えていたとのこと。これらの事実は2023年6月8日の社内自主点検で明らかとなりました。ホテルでは、再発防止策として棚卸しに第三者を交える方針を示し、利用客に対しては個別に説明と謝罪を進めています。
《賞味期限を書き換えさせた想定される原因》
#1コスト削減:
大量に余っている食材を捨てずに使うことでコストを削減しようとした可能性があります。
#2在庫管理の不備:
適切な在庫管理ができていなかった可能性があります。
#3規制・ガイドラインの無視:
食品衛生に関する基本的な規則やガイドラインを無視した可能性があります。
#4総力戦的なワークロード:
スタッフの過重労働により、正しい判断をする能力が低下していた可能性があります。
#5組織文化:
食品安全に対する重視が弱く、規則違反が許容されていた可能性があります。
《再発防止策》
#1在庫管理の強化:
在庫の適切な管理と追跡を確保するためのシステムを導入または強化します。
#2教育・トレーニング:
食品安全に対するスタッフの理解を深め、適切な対応が行えるよう教育とトレーニングを提供します。
#3第三者による監査:
食品衛生管理の規則や手順が守られていることを確認するために、定期的な第三者による監査を実施します。
#4報告とフィードバックシステムの確立:
食品衛生に関する問題をスタッフが安全に報告でき、改善のためのフィードバックが得られるシステムを確立します。
#5組織文化の改革:
食品安全を重視する組織文化を確立し、適切な行動が評価され、不適切な行動が許容されない環境を作ります。
以上のような再発防止策を通じて、食品の賞味期限を書き換えるという事態が再度起きないよう、管理体制を強化していくことが必要でしょう。
ホテルグランヴィア岡山には、かつて、素泊まりでしたが、私も利用したことがあります。
JR西日本系のホテルだと記憶しています。
「賞味期限」=「食べてもいい期限」ではないので、現実的には、一度解凍して再冷凍するなどのプロセスがなく、仕入れたときからずっと、きちんと冷凍保存されている食材なら、「食品安全上の問題」は、ほぼないでしょう。
しかし、ホテルは、利用する側からしたら、信頼の上に成り立っているサービスなので、ホテルグランヴィア岡山の食品安全文化や組織風土について、根本から改善してほしいものです。
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