2023年4月29日付けの「乗りものニュース」が、
「ダイハツ不正「絶対にあってはならない行為」 衝突試験ごまかし トヨタは会長・社長で対応へ」
という見出しの記事を報じていました。
この報道によると(※筆者が要約)
2023年4月28日、ダイハツとトヨタは、ダイハツ工業が生産するトヨタブランドの車両で不正があったと公表した。
側面衝突試験の結果を調整し、型式を取得するために、ドアの内部に加工が行われていました。
豊田章男会長は、この不正行為を絶対にあってはならない行為と非難した。
不正があったのは、海外市場向けに販売されている2車種と販売予定の車両1車種、および開発中の1車種の計4車種。
今回の不正は、内部通報を受けてダイハツが調査し、側面衝突試験で試験車両の前席ドア内張り部品の内部を加工し、法規に定められた手順や方法に従わなかったことが明らかになった。
ただし、正規部品を用いた社内再試験で基準を満たしていることは、確認されているとのこと。
対象車両は、「トヨタ・ヤリスエイティブ」7万6289台、「プロドゥア・アジア」1万1834台、「トヨタ・アギア」および開発中の1車種です。認可対象国への出荷は現在停止されており、適合が認められた後に出荷再開の予定。
ダイハツは、内部調査委員会と独立した第三者委員会で、不正の原因解明と再発防止策を取りまとめる予定。
(要約ここまで)
個人的な関心事は、「不正が起きた背景と内部監査による問題(リスク)検出能力」です。
トヨタ自動車の佐藤社長は、不正が起きた背景として、「認証の取得を担う部署と開発や実験をする部署が同一組織にあること」など、開発環境面の問題を指摘しているようです。
結果論ですが、自動車開発部門と型式承認を取得する部門が同一であれば、「開発と認証のスケジュール優先」という利害が一致し、不正が起きるリスクは、高まるでしょう。
「天下のトヨタグループ」ですから、本来は、こうして問題(不正)が顕在化する前に、内部監査で、「不正が起きるリスク」を内部監査員は提起して、経営層に報告するべきでだったでしょう。
しかし、「内部通報」という形で、情報が内部から上がったことが、よく捉えれば、「トヨタ全体は、隠蔽体質まみれではなかった」ということであり、救いです。
記事では、「正規部品を用いた社内再試験で基準を満たしていることが確認されている」とのことなので、実態としての自動車の安全性に関しての影響は限定的です。
しかし、ダイハツやトヨタグループとしての信用は落ちてしまいました。
月並みですが、徹底した原因追及と再発防止策を講じてほしいものです。
【好評発売中!】
『事例で学ぶコンプライアンスⅠ』(トータルEメディア出版)
『できるビジネスマンのマネジメント本』(玄武書房)
https://www.amazon.co.jp/dp/4909566066/
【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】↓
(パソコンでアクセスしている方)
http://www.mag2.com/m/0000218071.html
(携帯でアクセスしている方)
http://mobile.mag2.com/mm/0000218071.html
Twitter:https://twitter.com/ariga9001