2023年4月20日に発売された「週刊文春」の記事で、「JAL子会社のマイル付き旅行商品に景品表示法違反の疑い」があったそうです。

 

この記事によれば、

(※以下は、筆者が要約)

日本航空(JAL)が、宿泊費に対して異常に高い比率でマイルが得られる旅行商品を販売していたことが週刊文春の取材で明らかになった。

JAL子会社の旅行会社「ジャルパック」が販売し、景品表示法に違反する疑いがあるとされます。1月に沖縄県那覇市内のAホテルでは、通常の宿泊料金が1万円弱のプランとは別に、1万マイル付プランが3万3200円で販売されていた。

景品表示法に詳しい弁護士によると、総付景品は取引額の20%を超えてはいけないと説明し、このケースでは30%を超過し、大幅な違反であると指摘しています。

JAL広報は違反の可能性を認め、法令の順守と再発防止に取り組むと回答しています。

(要約、ここまで)

 

言わずもがなですが、「顧客の囲い込み」です。

商品を買ってもらうには、手っ取り早い方法として「値引き」がありますが、値引きは「一過性」で、必ずしも、リピーターになってくれません。

したがって、「値引き」の代わりに期限を決めた「ポイント」を付与すれば、リピーター戦略として有効です。

ただし、売り手側が、ポイント分相当以上の価格を付加しているとすれば、買い手側は、不当に高い商品を買わされているのと同じで、悪く言えば、消費者を欺く行為と言えるでしょう。

 

なお、「ポイント」は、「特定サービス内」だけで使用できる場合は、景品表示法で規定した20%を超えても、「割引扱い」で、法的には問題がないようです。

つまり、今回の場合は、「JALマイルのように使用場所が複数あるポイント」は、ダメで、「JALパックのみで使用できるポイント」であれば、問題はなかったのでしょう。

 

記事によると「JAL広報は違反の可能性を認め、法令の順守と再発防止に取り組む」とのことですが、マネジメントシステム的に捉えると、「設計・開発」(商品企画、サービス企画)のプロセスに不備があったと考えられます。

「ジャルパック」が「1万マイル付プラン」を企画する際に、

・景品表示法など関連法令への適切性は確認したのか

・デザインレビューで、宿泊価格の適切性は確認したのか

・デザインレビューメンバーや設計検証者は適切な力量があったのか

・そもそも、ジャルパックには、商品企画の手順書があったのか

・・・

といった点が気になります。

このあたりをしっかりと検証し、改善しなければ、また、いつか再発する可能性は高いと言えるでしょう。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ851号より)
 

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