2023年4月9日付の読売新聞が、

「チャットGPT、学生の利用に対策…上智大「論文使用なら厳格な対応」

という見出しの記事を報じていました。

 

記事によれば、各大学の対応は以下の通りです。

(※以下、筆者が記事を要約)

 

対話型AI「チャットGPT」に関連し、日本の大学がリポートや学位論文での利用制限や情報流出の危険性について学生に注意喚起するなどの対策を講じています。

専門家は、教員側の対応が重要であると指摘しています。

 

上智大学は、教員の許可なくAIによる文章や計算結果を使用することを禁止し、違反が判明した場合は厳格な対応を行うとしています。

チャットGPTはオープンAIにより無料公開されており、利便性が高いものの、誤った回答や著作権侵害、機密情報漏洩のリスクがあります。

学生にAIの利用を禁止することは困難であるため、各大学の対応は使用制限や注意喚起が中心です。

 

東京大学は、「リポートは学生本人の作成が前提であり、AIのみを用いて作成することはできない」との文書を学内向けサイトに掲載しています。

 

京都大学の湊長博学長は、入学式でAI生成の論文の問題点を指摘し、文章作成が学生の精神力と思考力を鍛えると語りかけました。

 

東北大学は、教員に対して課題の出し方や試験方法の見直しを促す「留意事項」を提示しています。

(以上、記事の要約)

 

記事の中で、筑波大学の金子元久特命教授が、

・学生がAIを使っていないかの判断は困難であり、教員側の工夫が必要

・例えば、リポート提出後に口頭試問を行うなどの対策が必要

といったコメントを出していましたが、この方法が現実的な対応方法でしょう。

 

ただ、テクノロジーの発達は、私は、社会が受入れて、行くものだと思っています。

例えば、私たちも経験があると思いますが、仕事で、議事録やレポートを作成する場合、以前に使用した議事録やレポートを上書き編集するやり方をしている人が多いと思います。

 

この場合、関係者から、前回議事録の内容や関係のない記録名などが残っていることを指摘されると、再発防止策として「今後の議事録やレポート作成においては、上書き編集を禁止する」といった対策が示されます。

再発防止の有効性を管理する部門としては、無難な対策ですが、「議事録を作成する際には、しっかりと内容に誤りがないか確認する」といった再発防止策に収めるべきだと思います。

 

要は、テクノロジーの進化は、世の中を便利、かつ、効率的にしているので、それをうまく利用しないのは、おかしいでしょう。

つまり、論文作成過程において「全面禁止」ではなく、「文章の編集作業の一部にAIを利用するのは認める」、「口頭試問を課す」などの対応でよいと思います。

 

ただ、幼児教育~大学においては「教育」、「思考力の育成」が目的なので、AIに頼ることで、健全な学習の成長が阻害される部分はどのような面なのかを明らかにして、AI使用の制限を設けることは必要でしょう。

 

現状、例えば「漢字の書き取り練習」などは、「手書き学習が必要」ということになっているようですし、「かけ算九九を暗記すること」は常識です。

このように、コンピュータやAIに頼らずに能力を身に付けるべき部分とテクノロジーに頼って効率化を図るべき部分とを「教育学」として、研究し、確立して使い分けしていくことが大事だと思います。
 

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