2023年2月27日に、千葉県船橋市立船橋高校の男子バレーボール部の顧問を35年務めていた男性教諭が暴行容疑で逮捕されたことを受け、学校側が、経緯を説明したそうです。

 

メディア等の報道によれば、

◆船橋市教委は、27日午前7時50分頃、この教諭が出頭後に逮捕されたことを知った

◆男性教諭は、2022年11月18日に、練習中にミスをした部員に対し、暴行した

◆体育館で、大勢の部員がいる目の前で服を脱がせ、髪をわしづかみにした

◆その後、床を引きずり回したうえで、顔面に至近距離からボールを複数回投げ付けた

◆校長は、教諭から、自身の指導が厳しいのではないか、という声があったことを聞いていた

◆被害を受けた生徒や保護者は、警察に直接、被害届をした

・・・

ということのようです。

 

ポイントはいくつかありますが、私が注目したのは、

・男性教諭は、自身の指導方法について、父兄から「厳しい」言われていたことを知っていた

・男性教諭が、生徒に暴行をした際に、他にも顧問が2名いたと言われている

・校長は、男性教諭から、現在の指導について話しを聞いていた

といった点です。

 

これまでの報道では、被害者の生徒と保護者は、「直接警察に相談した」ということしかわかっていませんので、あくまでも、状況からの想像ですが、この校長のキャラクターと暴行時に、他にも顧問がいたと言うことから、「学校に相談しても埒が明かない」と考えたのかもしれません。

報道で、校長の話を聞く限り、あまり、教諭の管理監督を積極的、かつ、効果的に実施できるタイプに見えません。

 

それを想像させる典型的なところは、男性教徒からの話しを聞いたくだりで、次のように校長は、話しています。

 

(報道から引用)

「レシーブで あちこちにボールを散らすような練習をした時に、『厳しいんじゃないかという声も聞かれた』というふうに、石井が言っておりまして。その時に、『こういう練習も厳しいと言われたら、なかなかバレーで鍛えることは、難しくなってる時代なんですよね』ということは、私と話しました」

(引用、ここまで)

 

ニュース報道なので、「校長は男性教諭から話しを聞いていた」という事実を報じるために、「切り取り」(編集)されているとは思います。

ただ、この部分だけを捉えると、「校長は、男性教諭から、このような現場の現状についての話しを聞き、男性教諭に対して、具体的な指導や助言、他の関係顧問を含めた聞き取り、バレー部所属部員への聞き取りなど、「校長としての職務を果たしていたのか」という点で、疑問が残ります。

 

仮に、男性教諭からの話しを聞いて、「今の時代は、指導が難しいよね」と単に共感しているだけだったとしたら、校長としての責務を果たしていません。

船橋市教委は、このあたりをしっかりと、調査して、校長の管理監督は適切だったか、学校の制度指導、部活指導等の運営が適切に実施されていたか、確認するべきでしょう。

 

ちなみに、「千葉県における男子バレーの強豪校」として紹介されている市船ですが、1990年に全国高等学校バレーボール選抜優勝大会で「優勝」をしていますが、近年は、「習志野一強時代」で、当該全国大会に出場したのは、2009年が最後です。

 

月並みですが、「お山の大将」になりやすい部活顧問(しかも35年同じ職場)が「暴行したこと」が直接的な問題ではありますが、学校側の管理体制、市教委側の人事異動管理にも、改善すべき点は多々あったように思います。
 

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