百貨店や銀行などで「女性職員の制服を廃止」して「私服勤務」が広がっているそうです。

「制服廃止」の背景には、

・働きやすさ

・ジェンダー平等

を重視する世相や価値観の変化によるものでしょう。

 

2022年10月28日付の毎日新聞は、熊本県内唯一のデパートである「鶴屋百貨店」や「肥後銀行」の事例を報じていました。

記事によれば、鶴屋百貨店のケースは、

・2022年9月から女性職員の制服を段階的に廃止する

・案内係を除き2024年2月末に全廃する

・1952年の創業時から10回ほどデザインを変更し、職場や職制に応じた制服がある

・社内からは、「動きやすい服を」、「自由に服を決めたい」などの声が増えた

・女性職員からは、「着替える時間を短縮できる」と喜ぶ声が相次いだ

・鶴屋百貨店人事部は、「男性には制服が支給されないのも男女差別」と語った

という背景と経緯だそうです。

 

2022年10月からハンバーグレストランの「びっくりドンキー」が、直営店130店の社員制服をリニューアルし、男女兼用のジェンダーレスな統一デザインとしたことが報道されていました。

客の立場で言えば、びっくりドンキーは、飲食店ですから、「私服接客」は、衛生面で不安がありますが、「男女兼用の統一デザイン」は、今の時代の価値観に対応しており、違和感はありません。

 

ただ、毎日新聞が事例紹介していた鶴屋百貨店ですが、例えば、衣料品売り場の場合、ユニクロやスーツ量販店のように「自分で好きなものを選びたいから、話しかけないで欲しい」という考えの客層より「店員さんから話しかけて欲しい」という客層が百貨店は多いように思います。

つまり、制服は「客」と「店員」を明確に峻別し、百貨店のように「接客が提供サービスの中で大きなウエートを占める業態」の場合は、「制服が果たす役割」は大きいように思います。

 

おそらく、鶴屋百貨店は、「就業規則」や「服務規程」で、「勤務時間や接客時の服装」についてのルールを定めていると思うので「婦人服売り場で店員がTシャツにジーンズ姿」で接客することはないと思いますが、「百貨店という風格」が損なわれる懸念があります。

 

「銀行における制服廃止」は、事例の肥後銀行だけでなく、都市銀行のりそな銀行は、制服がそもそもありません。

私は「りそな銀行ユーザー」ですが、違和感があまりありません。

違和感がない理由は、おそらく「銀行窓口はカウンターによって、客とスタッフが仕切られている」からでしょう。

例外があるとすれば、銀行の混雑時に、窓口やATMの順番整理をされている行員がいますが、この方々は、制服が無い場合、行員を示すバッチや腕章を付けた方が客との識別を明確にする上で、必要だと思います。

 

月並みですが、「制服」を経費面で捉えると、「制服廃止」は、会社側には、メリットが大きいと思います。

例えば、

・制服は会社支給で、金額も大きい

・制服の在庫も必要になる

・クリーニング費用なども生じ管理が面倒

といった点です。

 

繰り返しになりますが、客の視点では、接客業の場合、制服は、「スタッフを探しやすい」、「安心感」や「信頼感」などの効果があると思います。

「制服廃止理由」として、よく話題になるのは、ジェンダーフリー、男子社員からの不公平感、自由に働く服を選びたい・・・といった「職場環境改善視点」のウエートが高く、客視点の議論・検討が弱いように思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ826号より)
 

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