国立国語研究所が、1948年以来の全国実施の「識字調査」を目指しているそうです。
2023年2月18日の共同通信社の記事によれば、(※筆者が編集)
◆岡山などで、義務教育を受けられなかった人たちが通う夜間中学の生徒らを対象に実施
◆約2割が、十分に読み書きができず「日常生活に支障の恐れ」との結果が出ている
◆最新の国勢調査では義務教育の未修了者が約89万人いることが判明している
◆不登校などで十分学べなかった「形式卒業者」もかなりいるとされる
◆識字率の実態把握は学び直しの促進につながる可能性がある
◆2022年7月に岡山自主夜間中学校で、10~80代の生徒ら約40人がテストを受けた
◆義務教育以上を受けた人と比較するため、ボランティアスタッフも受験した
◆平均点はスタッフが87.9点、生徒が79.3点
・・・
とのことです。
記事を読んで、最初に感じたのは、「義務教育を修了していない人と義務教育を修了した人の漢字テストの結果に大きな差はないじゃん」と思いました。
もちろん、岡山の夜間中学の生徒が漢字テストを受けた段階は、すでに、中学卒業程度の学習が終わっていたかもしれないし、「学び直したい」という気持ちがある人は、そもそも、比較的能力が高い可能性があるかもしれません。
それにしても、ボランティアスタッフの平均が87.9点、夜間中学の生徒の平均が79.3点というのは、個人的には、驚きです。
漢字テストの具体的な内容がわかりませんが、今は、手書きするシーンは、日常生活で少ないですから、識字に関して、日常生活に支障が出るレベルではない気がします。
月並みですが、平均寿命が長くなったことで、余生を心豊かに過ごすためには、広い意味での「学び直し」は必要でしょう。
ただ、岡山の自主夜間中学は、スタッフが、ボランティアかもしれませんが、一般的に「学び直し」というと、それなりの「授業料」が必要です。
引きこもりや経済的理由で、義務教育をちゃんと修了できず、日本人の平均識字率より、かなり劣る人が、社会で成功して、生活に余裕があれば、問題ありませんが、おそらく、そのような条件の人は少ないはずです。
つまり、「学び直しは必要でも、なかなか、日々の生活で一杯一杯」ではないでしょうか。
この記事では、識字率の全国的な実態把握が学び直しの促進につながる可能性を言及していましたが、岡山の自主夜間中学校のように、各地域が学びの場を充実させるか、国主導で、経済的に苦しくとも学び直しを希望する人が学べる制度設計をしなければ、限定的な気がします。
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