2022年1月にJR秋葉原駅の下りエスカレーターで、エスカレーターの真ん中に立っていた80代の男性とエスカレーターを歩いて降りてきた61歳の男性がトラブルになり、61歳の男性が、エレベーターを降りた後に80代の男性を蹴ったり、投げ飛ばすなどの暴行を加えたニュースがありました。
2022年11月30日付けの日テレNEWSで、“「エスカレーターで歩かない」は浸透するか?”という報道がありました。
この報道は、
(以下、筆者要約)
◆業界団体「日本エレベーター協会」は、歩く、走るの“禁止”を呼びかけている
◆事故が起きかねないエスカレーターでの危険な行為は、各地で起きている
◆東京消防庁によると、2020年にエスカレーター事故で救急搬送された人は1069人
◆救急搬送された1069人のうち、転倒が7割を占めている
◆名古屋市では、“エスカレーターは歩かない”を義務化する条例を2023年に制定予定
◆埼玉県は、2021年10月から、エスカレーターの歩行や走行を禁止する条例を施行
◆筑波大学の調査では、条例施行から3か月後には、歩く人が減少し4割ほどになった
◆しかし、約1年後には、再び6割ほどの人が歩く結果となった
◆1日10万人以上が利用する福岡市の天神駅では、 “歩かない”ことが浸透している
◆天神駅は、「勇気を出して右側と~まれ」とペンギンのイラストのポップを設置した
◆エスカレーターで立ち止まる動きは、全国に広がるのだろうか
といった内容でした。
この報道の状況から、
・条例を作っても、罰則がないと、なかなか、人は習慣を変えられない
・日本人は、同調圧力に弱い
ということが言えるでしょう。
埼玉県のケースは、条例制定後、最初は、効果があっても、誰かが、「エスカレーターで歩くことを開始」すれば、後に続く人が増え、罰則がないことから、元に戻る・・・という事例で、福岡市天神駅のケースは、「誰も歩かない」から、同調圧力が働いている・・・という事例です。
交通規則の話しですが、「信号機のない場所に設置された横断歩道の前に人がいたら、車両は一時停止しなければならない」というルールは、最近は、かなり徹底された印象がありますが、これは、明らかに「車側に罰則規定があるから」でしょう。
つまり、日本人は、同調圧力に弱いので、天神駅のように、「ローカルルール化」されてしまえば、「その場所ではガマン」するのが日本人ですが、罰則規定がなければ、他の場所では、「歩く人は出現する」といえるのでしょう。
ただ、確かに、エスカレーターの業界団体が呼びかけるように、走る行為は危険ですが、歩く行為の全面禁止は、個人的には、「もうちょっと、別の工夫をしてからにすべきでは」と思います。
そもそも、「なぜ、人は、エスカレーターで歩くのか」といえば、
・エスカレーターの速度が遅く、時間が無駄に感じるから
・エスカレーターより、自分の足で歩く方が早いと感じるから
でしょう。
つまり、健常者、かつ、園児や高齢者を除き、エスカレーター速度が遅い、と感じるためです。
そのため、私は、エスカレーターを利用するのは、感覚的に2割程度で、通常は、階段を「歩く」あるいは、「走る」で利用します。
例えば、JR浜松町駅は、モノレールに乗り換える人で、混雑しますが、エスカレーターと階段が別々にあるので、私は、基本、階段利用です。
また、羽田空港内では、「歩く歩道」がありますが、こちらも、「歩く歩道」と並行する通路を歩いています。
しかし、例えば、JR東京駅の総武快速線の乗り場は、地下4階ですが、基本的に、階段がありません。
そうなると、急いでいるときは、どうしても、歩きたくなるので、階段を設けるか、あるいは、時間帯によって、一部のエスカレーターを停めて、「階段」にするなど、工夫して欲しいです。
「エスカレーターでは、歩くことを禁止」するのは、罰則ありの法令化、あるいは、条例化が、手っ取り早い話しですが、「多様化の時代」というならば、急いでいる人、からだの不自由な人、高齢者や子供、など全ての利用者にとって、協調できる公共施設の利用環境や仕組みを考えることも必要なのではないかと思います。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ832号より)
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