我が国の新しい社会問題として「小1の壁」があるそうです。
「小1の壁」とは、
『共働きやひとり親世帯において、子どもの小学校入学を機に、仕事と育児の両立が難しくなること』
だそうです。
結果として、調査データによれば、「4人に1人」が、「小1の壁」が原因で、仕事を辞めるか、転職しているそうです。
子供がすでに成人して何年も経っている家庭や子供がいない人にとっては、私もそうですが、「子供が小学校に入学したら、育児が楽になり、仕事に専念できる」となんとなく考えてしまいます。
しかし、現実的には、園児以上に小学1年生は大変なのだそうです。
2022年11月21日付けの現代ビジネスの記事を社会起業家で社会福祉士の遠藤奈央子さんが寄稿されていますが、この記事によれば、「小1の壁」が生じる原因は、以下の通りだそうです。
要因1:学童保育の預かり時間は保育園よりも短い
・保育園は、基本的に、朝の7時頃から夜の19時過ぎまで預けることができる
・公設の学童保育施設は、開所時間を18時までとしているところが多い
・都心部の一部では、19時までの延長保育も対応しているところもあるが、ごく僅か
要因2:学童施設が不足している
・全国的に学童保育の利用希望者数に施設の数が追いついていない
・厚労省の調査によると、利用できなかった学童待機児童は1万5995人
・都道府県別では、東京都(3262人)、埼玉県(1665人)、千葉県(1444人)で全体の4割弱
要因3:小学1年生の下校時間は早い
・小学校1年生の下校時間は早く、週に1日は13時過ぎに下校する
・公立小学校は入学式直後の1週間から2週間程度は給食なしの午前帰り
・小学校1年生の標準的な授業数は、1週間あたり24コマ前後
・したがって、14時半くらいに下校することもよくある
要因4:育児短時間勤務が適用されない
・育児短時間勤務とは、3歳までの子どもを養育する労働者が、1日の所定労働時間を原則6時間とすることができる制度
・2009年の育児・介護休業法の改正により、企業に導入が義務付けられた
・6歳までは、企業の努力義務とされている
・そのため、保育園時代は時短勤務をしていた方が、子どもの小学校入学のタイミングでフルタイム勤務に戻るのか、それとも退職か、という選択に悩む
要因5:公設学童で勉強のサポートは期待できない
・宿題や勉強等の子どもの自主学習の習慣は、子どもひとりで身につかない
・公設学童保育の指導員は、「子ども40人に対して2人」という配置
・各家庭で親が学習習慣を育てるしかない
要因6:恐怖の夏休み
・7月20日過ぎから8月いっぱいまでの約40日間を、子どもは学童や家で過ごす
・「学童に行きたくない!」と言い出す子も少なくない
・PTAなどの学校行事での活動も「小1の壁」になっている
詳しいデータはわかりませんが、私の幼少期は、共働きの世帯は少なかった記憶があります。
母親が働いているとしても、近所の工場やスーパーのパート勤務で、夕方には、帰宅している友達のお母さんは多かったです。
女性が社会進出するようになり、高卒や短大卒で、いわゆる「腰掛け社員」が、減少し、女性もキャリア志向になり、共働きが増え、核家族化が進むにつれて、本来は、国が法律面や学童保育などのサービスをもっと拡充するべきだったのでしょう。
「育児介護休業法」は、官僚が有識者や関係各所と折衝した結果ではあると思いますが、折衝過程において、「子育ての現実を知らない人」がたくさん関与していたのかもしれないぐらい、多くの子育て世帯にとっては、不便な法律となっています。
ただでさえ、晩婚化が進んでいるのに、つくづく、日本は、共働き世帯にとって育児、子育て環境が整備されていない社会環境なんだな、と思います。
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