2022年11月8日にマスエディアが、愛知県犬山市の火葬場で、ペットを火葬をする際、職員が出したゴミを一緒に燃やしていたことを報じていました。
この火葬場は、愛知県犬山市にあり、愛北広域事務組合が管理する尾張北部聖苑です。
火葬業務を委託されている株式会社五輪の職員が、弁当やペットボトルなどのごみを、ペットを火葬する際、一緒に焼却していました。
この問題が発覚したのは、SNSによる書き込みで、五輪が、調査したところ10年以上前から複数人の職員がゴミを燃やす行為をしていたそうです。
このコラムの読者は、組織のマネジメントシステムに詳しい方が多いと思うので、ペット(動物の死骸)の廃棄物処理法上の区分がわかると思います。
整理すると、
・一般家庭のペット:一般廃棄物
・事業者のペット:事業系一般廃棄物
・畜産農業用ペット:産業廃棄物
となると思います。
ただし、1977年に厚生省が出した通知文書によると、「動物霊園事業」において取り扱われる動物の死体は「廃棄物」には該当しないそうです。
元検事の前田恒彦氏によれば、2004年の国会答弁で、「動物霊園事業者」については、宗教上の理由や社会慣習などによって埋葬、供養されていることから、社会通念上、「廃棄物」には当たらないとされたそうです。
この「社会通念上、動物霊園事業において取り扱われるペットの死体の火葬は、廃棄物ではない」を加味すると、
1)飼い主が、ペットの死骸を自治体に持ち込む場合
2)飼い主が、民間の霊園事業者や火葬業者に依頼する場合→廃棄物ではない
があります。
そして、「飼い主がペットの死骸を自治体に持ち込む場合」については、
(a) 自治体が自らクリーンセンターで焼却する場合
(b) 自治体が民間業者に火葬を委託する場合
とがあり、(a)は、「一般廃棄物」、(b)は「廃棄物ではない」となるようです。
冒頭の弁当やペットボトルと一緒にもやしていた愛知県犬山市のケースは、上記(b)のケースだったようですが、そもそも、法律的側面だと、火葬事業者スタッフが排出した弁当やペットボトルは、事業系一般廃棄物となり、法律違反でしょう。
つまり、ペットの飼い主の心情以前に、弁当などを燃やす行為は、違反なのです。
それにしても、「五輪」は、2021年に、京都府宇治市の斎場で、遺骨の大半を集塵機で吸引し、遺骨がほとんど残らなかった、という問題を発生させています。
関連ブログ:http://blog.logcom.jp/?day=20210409
報道によれば、「五輪」は「社員研修を通して再発防止に最善の努力を致します」としているそうですが、「研修のみでの再発防止」は難しく、しっかり、内部チェックの仕組みを構築して欲しいものです。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ828号より)
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