各メディアが報じていますが、世界平和統一家庭連合(以下、統一教会と表記)の問題を発端に、「質問権の行使」について議論がされています。
報道では、宗教法人法81条の定める解散事由には「法令に違反して」とありますが、これが、刑法だけか、民法も含むのかは、明確に書かれていません。
市民目線だと、刑法だけでなく、法令違反があれば、少なくとも、質問権を行使して、状況に応じては、解散命令が出せる仕組みにして欲しいものです。
また、現行法の規定に定められた、宗教法人の実態調査や財務状況の監視も、宗教法人の数(18万法人とも言われている)に見合った職員はいません。
それが、調査を担当する文化庁・宗務課の人員が現在の8人から38人に増員されるそうです。
宗務課の増員については、永岡佳子文部科学大臣が、2022年11月1日の閣議後の会見で、明らかにしました。
増員の内訳は、法律や会計の専門家などで、文部科学省内から22人、法務省、警察庁、金融庁、国税庁から8人が加わることになったようです。
失礼ながら、永岡大臣は、官僚出身(農水省)で2005年の郵政民営化法案がらみで自殺した永岡洋治代議士の後を継いで代議士になった経緯から、入閣にあたって、まったく期待していませんでした。
しかし、世間の統一教会に対する風当たりは強く、宗務課の体制増強を望む国民の声に応えたことは、現時点では評価してよいと思います。
宗教法についての今後の見通しは、11月8日に、文化庁の専門家会議で質問権行使の基準設定に関して一定の方向性が示されるようです。
また、統一教会の調査で初行使される「報告徴収・質問権」についても、どのような結果になるのか注目したいです。
しかし、統一教会との関係を批判され辞任した、山際前経済再生担当大臣が、自民党の新型コロナ対策本部の本部長に就任したように、「メディアや国民は時間が経てば忘れる」作戦で、統一教会については、「質問権を行使した」というところで、「終了」のように思います。
札幌の納骨堂(御霊堂元町)経営破綻問題も、行政(札幌市)の財務状況チェックの甘さが指摘されていますが、個人的には、「宗教法人を認めすぎている」ように感じます。
国民が承知の通り、宗教法人には、
・信仰のために使用する建物、土地の固定資産税などが非課税となる
・献金や寄付に税金がかからない
・お守りなどの収入、冠婚葬祭の収入、拝観料、宿泊施設の提供に税金がかからない
といったメリットがあります。
私見ですが、今の時代の価値観で考えると、宗教法人にメリットを与えすぎている、と思います。
日本には、例えば、公益法人といわれる営利目的一辺倒ではない団体がありますが、これらの団体にも優遇措置はあるとしても、「無税」にはなりません。
極論、「宗教法人=無税」というメリットを止め、しっかり宗務課が活動状況と財務状況を監視するなら、現在、18万ともいわれる宗教法人の多くは、解散するか、一般財団法人や社団法人あるいは株式会社等に鞍替えすると思います。
宗教法人のあり方そのものにメスを入れなければ、統一教会問題は、与党が狙っているように「一過性の問題」で終わってしまうように思います。
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