組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。
このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。
今回のテーマは、「是正処置の効果の確認」について。
ISO認証基準では、「是正処置の効果の確認」が求められます。
その前に、あらためて、「是正処置の対象となる不適合」や「是正処置手順」について、おさらいしておきます。
《ISO9001における要求事項の例》
・規格要求事項
・顧客要求事項
・利害関係者の期待・ニーズ
・製品及びサービスに関する要求事項
・法令・規制要求事項
・組織内で守るべき要求事項
《不適合事の例》
・認証機関審査の指摘
・顧客監査の指摘
・製品及びサービスに対する顧客仕様との不整合
(※各検査やデータ監視で検出することが多い)
・行政機関から指摘
・苦情や要望
・社内管理基準の逸脱
・内部監査の指摘
《是正処置手順》
・不適合の修正処置と起こった結果への対応
・是正処置と水平展開
→不適合をレビューし、分析する
→不適合の原因を明確にし、是正処置を検討する
→類似の不適合の有無を確認し、それが発生する可能性を明確にする
・必要な処置の実施
・是正処置の有効性レビュー
・組織が決めた「リスク及び機会」の見直し
・マネジメントシステムの変更
私見ですが、多くの組織や人は「不適合」=「出してはいけないもの」、「どえらいこと」と捉えすぎる感覚があります。
もちろん、不適合内容によっては、「会社を揺るがす大問題」ですが、「不適合=改善のきっかけ」(組織がよりよくなるきっかけ)と捉えることが大事です。
例えば、食品製造組織に訪問すると、「不適合」として捉えているほとんどは、「製品検査で不合格になった製品サンプル」か「顧客クレーム」です。
しかし、設備トラブル(例:チョコ停や点検業者からの指摘)や業務現場でのヒヤリハットなどは、事実上、なんらかの対応は取っているものの、マネジメントシステム上の管理としては、「不適合」として捉えていないケースが多いです。
「事実上対処しているならそれでいいじゃん」という考えもありますが、多くの場合、「問題の原因究明と再発防止、および再発防止の効果の確認(是正処置の有効性の確認)」が不十分なケースが多いです。
なお、「是正処置の効果の確認」は、「その後、同様の事例が発生していないので効果あり」と評価するケースが多いです。
しかし、「その後同様の問題は発生していないが、是正処置によって見直しした仕組みが、重すぎて、仕事がやりづらくなった」という場合は、「是正処置の有効性」について、単純に「効果あり」と評価するのは性急です。
つまり「重くしすぎた仕組みを簡素化し、経過観察する」という「有効性確認」も必要なのです。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ798号より)
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