一昔前から、公共主体の建設業では「選別受注」という言葉がよく聞かれるようになりました。

「選別受注」とは「採算のとれる工事しか受注しないこと」を指します。

ビジネスマンなら、「そんなの当たり前じゃん」と思うでしょう。

しかし、公共の建設業は、施工不良や事故さえ発生させなければ、つまり、普通に施工管理と施工を実施できれば、利益が出るのが当たり前だったのです。

例えば、施工計画書を発注者に提出後、実際に、工事を始め、予想以上に安全管理費が必要になった場合でも、発注者と協議すれば、追加工事予算が認められたのです。

しかし、こうした時代は、すでにほぼ終わっています。

 

公共工事が指名入札から一般競争入札になり、価格を下げれば受注できても、それでは、積算コストはもちろん、利益も殆どなく、うま味がない。

また、工事リスクが伴う案件は、問題がなければよいですが、そうでないと赤字でも、受注した工事を完成させるしかありません。

 

つまり、「当たるも八卦当たらぬも八卦」的になんでもかんでも受注に参加していた時代は終わり、「自社が有利に立てる案件を冷静に見極め,利益が出せる案件を選別して入札に参加する時代」・・・つまり「選別受注」をしっかりマネジメントしなければ、経営が成り立たない時代なのです。

 

実は、「選別受注」は、受注者側だけの問題ではありません。

例えば、発注者である「官公庁」が、工事案件の実態に合わない積算だったり,近隣住民など関係者との調整がいい加減だと、受注側に敬遠され、「施工業者がいない」という事態になります。

それは、当然で、受注側は、正当な設計変更や技術上のリスクについて、「すぐには解決不能な案件」と判断すれば、「入札参加見送り」・・・つまり「受注者からの選別対象」になるわけです。

 

マネジメントコンサルの世界の場合は、大企業を除き、一昔前は、中堅企業や中小企業からコンサルティング依頼があった場合、「業界の相場」の単価で、組織状況やコンサル条件を勘案して、見積を提示し、依頼者に説明すれば、すんなりと契約に至ることが多かったです。

しかし、これだけマネジメントシステムの認証が当たり前になった時代において、そこそこの事業規模と歴史がある会社が今から取り組む場合は、「これまで取り組んでこなかったなんらかの理由」があります。

そして、最近は、ネットに情報が様々な情報があふれています。

また、紹介案件の中には、弁護士の世界で言えば、「国選弁護人」のように単価が始めから低く抑えられている案件もあります。

 

依頼組織やその組織を紹介してきた団体との付き合いもあるので、一概に邪険には扱えませんが、仕事をすればするだけ、「手間が掛かる案件」は、「逃げる」(受注選別)のが賢明かも。。。と思ったこの頃の出来事でした。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ792号より)
 

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