組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。
このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。
今回のテーマは、「外資系認証機関の認定スキーム」について。
国内で活動しているISOマネジメントシステム認証機関には、いわゆる「外資系認証機関」が数多く存在します。
組織形態としては、殆どが、「国内現地法人」の形態になっていますが、私の知る限り、法人形態も様々ですが、大きく分けると、二つに大別されます。
ひとつは、認証機関の本体が100%出資して日本国内に現地法人を設立したケース、もうひとつは、認証機関の本体とは無関係の国内法人が法人を設立したケース(認証機関本体が何割か出資しているケースもある)です。
要は、後者のケースは、フランチャイズ契約です。
このように国内にある外資系認証機関が「100%出資」か「フランチャイズ方式」か、の話題については、また別の機会に触れたいと思います。
今回は、これら「外資系認証機関」の「認定スキーム」がどのようになっているか、簡単に解説します。
認証規格を問わず、登録組織が、400件以下の認証機関の多くは、本国及び他国のグループ機関が取得している認定スキーム(例:UKAS、ANAB、RvAなど)を利用して認証審査サービスを提供しています。
つまり、国内にある認証機関は、認定を独自に持っていません。
要は、国内で審査活動する審査員を、UKASなどの認定を有する本国及び他国のグループ機関から承認してもらい、審査員配置や審査実施のみを国内では実施し、審査工数の決定、審査報告書のレビュー、認証登録の決定、登録証の発行は、認定スキームを持つグループ機関で実施するわけです。
仮に、審査工数の決定、審査報告書のレビュー、認証登録の決定、登録証の発行(または、その一部の機能)を国内認証機関が実施する場合は、「クリティカルサイト」といって、認定機関は、定期的に審査をすることになります。
認証規格を問わず、登録組織が、3000件以上あるいわゆる「大手認証機関」の場合は、顧客のニーズが高い規格によっては、独自に認定を取得して、ケースバイケースで、他国の認定スキームや独自に取得した認定スキームで認証サービスを実施しています。
独自に認定を取得した方がよい理由として、
・国内認定機関(JAB)の認定スキームを組織によっては要望される
・JAB認定スキームだと、日本語で文書、記録を作成できる
・JAB認定スキームだと、認証プロセスに問題があった場合、すぐに見直しができる
といった理由があります。
若干、脚色しますが、某機関が、海外認定スキームで実施した審査の認証プロセスを確認すると、審査工数算出、産業分野の特定に誤りが疑われました。
機関の人にお聞きすると、内部でも「変だな?」という意見はあったそうです。
しかし、この認定スキームに関する審査工数などの承認は、その認定を取得している本国にあるので、本国の担当者に意見は言えても「間違っているのでは?」とは言えないそうです。
私見ですが、こうした情報は、認定機関間で情報共有して、少しずつ認定している認証機関での運用のギャップを、「もぐらたたき的」であっても埋めていくべきだと思います。
しかし、なかなかそうなっていないのが、現状です。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ792号より)
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