組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

 

今回のテーマは、「認定分野と非認定分野の登録証」について。

 

少々古い話で恐縮ですが、ISO認証機関が発行する登録証(ISO認証文書)について、認定分野と非認定分野の登録証について、おさらいしておきます。

 

ISO認証機関がISO9001やISO14001など、組織が認証規格に適合していることを認証審査で確認し、認証登録を決定すると、登録証が組織に発行されます。

この「登録証」ですが、ISO17021-1:2015(8.2.2 g))に

「認証機関の名称、住所及び認証マーク。その他のマーク(例えば、認定シンボル、依頼者のロゴ)は、それらが誤解を招くもの又は紛らわしいものでなければ用いてもよい。」

という規定があります。

 

つまり、登録証には、認証機関のロゴマークとその認証機関を認定している認定機関(例:JAB、UKASなど)の認定シンボルとIAFロゴ(多くの認定機関が加盟している)が記載されています。

 

ただし、認証機関の認定は、ISO27001(情報セキュリティ)など一部のスキームはスコープレスの認定ですが、ISO9001や14001などは、産業分野毎に認定機関から認定されています。

したがって、組織が、認証機関から登録証を発行される場合、その組織が該当する産業分野が認定機関から認定された分野である場合は、登録証に「認証ロゴ、認定シンボル、IAFロゴ」が記載されます。

 

注意したいのは、組織が該当する産業分野が複数ある場合、審査した認証機関が、その複数ある産業分野について、認定されていない分野がある場合の登録証です。

 

IAFでは、Resolution 2015-2014で

「IAFメンバー認定機関は、認定した認証機関と法的に拘束力のある取り決めを持ち、認証機関が認定されている範囲で、非認定のマネジメントシステム認証を発行することを防がねばならない」

と決議しています。

 

つまり、認証規格に適合している組織の産業分野が複数あり、一部の分野が非認定の場合、登録証の発行方法は、以下の2つの方法があります。

1 登録証を認定分野と非認定分野に分けて発行する

2 認定シンボルを付けずに、認定されている分野について但し書きを付け発行する

 

世界的な業界大手の認証機関は、ほぼ全てのスキームの産業分野について、認定を取得しているのでこのような問題は発生しませんが、小規模かつ地域的な認証機関は、認定維持コスト等の観点で、認定分野が限定されているので、審査対象の組織に該当する産業分野に認定分野と非認定分野が混在する場合は、認証機関はもちろん、組織も注意が必要なのです。

 

個人的には、認証範囲(製品サービスの範囲)は、産業分野毎にできるだけ区分けしておくと、このような問題に対応しやすい(登録証を分けて発行する場合)と思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ802号より)
 

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