組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。
このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。
今回のテーマは、「うまく行っている組織とそうでない組織の違い」について。
ISO認証組織の傾向を調査した方によると、
・認証5年目までは「取得して良かった」の比率が高い
・認証歴が長い組織は、「審査は最大の教育の場」と捉えている
・ISOが効果的だという組織は「取得動機」が健全
なのだそうです。
このことから言えるのは、「単に取得してよかった」という「苦労が報われた感」や「取引先からの評価」、「イメージアップ」といった「認証取得としての価値」は、「5年程度まで」のようです。
また、認証歴が長い組織にとっては、審査を受審する過程、審査の受審、指摘のフォローといったプロセスを通じて、社員のレベルアップ、管理能力強化、自分たちが気づかなかった改善につながる気づきを得る場として認証審査を活用しているそうです。
「取得動機が健全」とは、ISOマネジメントシステムを導入することによって、業務効率向上、歩留まり向上、社員の力量向上、コンプライアンス対応といったことが「取得動機」であることを指します。
つまり、「動機」が「入札対応のため仕方がなく」、「取引先要求のため仕方なく」など、「取得さえしていればいい」という動機の組織は、何年経っても、「システムの形骸化」から脱却していないことが多いようです。
確かに、トップマネジメントを始め、組織がISOに対して「経営に使える」、「教育に使える」と思わなければ、ずっと「審査に通る記録作り」から抜けられません。
また、ましてや、「ISO認証審査を通じて得られた気づきを業務改善に活用しよう」という発想が社内文化として育まれないのは、当然かもしれません。
したがって、「ISOに価値を感じる組織」を増やす鍵は「認証取得の動機を健全なものとしてスタートすること」です。
では、「健全ではない動機で認証を継続している組織」に対して、認証機関、コンサルタント、教育機関などは、何ができるのだろうか?と考えると、なかなか難しいです。
外部から、ISOに肯定的で、成功体験のある経営者がトップに就かない限り、なかなか一度、組織に染みついたISOに対する負の意識を変えるのは、難しいと思います。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ788号より)
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