組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。
このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。
今回のテーマは、「委託製造組織における認証表記」について。
食品製造業の組織に訪問すると、例えば、同じ商品名の製品が、自社工場で製造しているものもあれば、協力工場で製造しているものもあります。
このようなケースの認証表記は、私見ですが、
1) すべて協力工場で製造している場合
→「○○の設計、製造管理」(または、「○○の設計、委託製造管理)
2)協力工場で製造しているものもあれば、自社工場で製造しているものもある場合
→「○○の設計、製造及び委託製造管理」
という感じではないかと思います。
工業製品においては、中国や東南アジアの現地法人の子会社や協力工場で、ほぼ完成品を製造し、日本国内の自社工場で、銘板や安全表示シールの貼付と試運転を含む調整と検査をして「製品として出荷」するようなケースがあります。
以前、このような業態のISO認証組織に訪問しましたが、その組織の認証表記は、
「○○の設計、製造」
でした。
自社では、殆ど「製造」は実施していないので、組織に訪問して実態を確認した立場としては、違和感はありましたが、「銘板や安全表示シールの貼付や検査」は「製造プロセスの一部」なので「製造」と表記するのはダメとは言えないよなぁ、という思いでした。
日本語的には、「製造」よりは「加工」の方が適切な表現だったのかもしれません。
また、以前、医療用の注射針を製造している工場に訪問したとき、その組織で実施している製造行為は「滅菌工程」だけでしたが「注射針の設計、製造」という表記でした。
注射針自体は、協力工場で製造しているので、この製品の該当分野となる「分野17:基礎金属、加工金属製品」の金属部分の製造そのものには、この組織は、関わっていませんが、製品仕様や滅菌工程に関わっているから、「製造」と表記しても、まっ、問題ないか、と自己納得しました。
最近、製造業では、ファブレス(fabrication facility less)、要は、「工場を持たない」業態が多くなってきましたが、その場合の認証表記は、まさに、「○○の設計及び委託製造」という表現になります。
さらに、昨今は、設計も、構想だけで、実質的に製品として具体化する詳細設計は、委託している業態もあるので、実態としては、
「○○の設計管理及び製造管理」みたいな業態もあり、産業分野は、どこに該当するのだろう??と悩むケースも増えてきました。
たとえば、カジュアル衣料品販売大手のユニクロが、ISO認証を取得するとしたら、マネジメントシステムの適用範囲や認証範囲をどのように設定するかにもよりますが、ユニクロ自体は、「製造小売業」なので、認証表記は、
「カジュアル衣服の商品企画、委託製造及び販売サービス」
みたいな感じになるのかな、(分野は、4と29)と思っています。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ771号より)
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