組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。
このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。
今回のテーマは、「現場審査の重視」について。
「一時的サイト」の定義は、以下のようになります。
(※IAF MD1:2018 2.3一時的サイトより引用)
“依頼組織が、限られた期間内、特定の業務の実施又はサービスの提供を行うサイト
(物理的又は仮想的)で、常設サイトとなることが意図されていないもの。
(引用元:ISO/IEC TS 17023: 2013)
上記に引用した定義で明確ですが、「一時的サイト」とは、サービス業であれば、例えば、
・物流サービス業:積込~荷下ろし現場
・小売業の移動式販売:移動式販売現場
・医療サービス:検診車による健康診断現場
・教育サービス:依頼先における講習会場
などは、「一時的サイト」と位置付けられるでしょう。
これらの一時的サイトですが、現在は、IAF MD1:2018で一時的サイトについて定義されているので、審査プログラムで審査が計画され、実施されていることが多いですが、一昔前は、一時的サイトとして審査されていたのは、建設業における施工現場ぐらいだったように思います。
認証機関のWebサイトで、「当社は現場重視の審査を実施します」と謳われており、審査手順書等で「審査の基本は業務を実施している場所で審査することである」と規定されていても、サービス業や機器の保守・メンテナンス、試運転・据付等については、審査プログラムで計画されず、スルーされることがありました。
このような原因は、想像ですが、
・そもそも、その組織の業務プロセスに一時的サイトがあることを理解していない
・一時的サイトが認証審査当日に発生しているかどうか分からず、計画されていない
・一時的サイトが本社サイトなどから離れており、かつ、短時間で審査計画しづらい
・・・
といった理由ではないかと思います。
一時的サイトが業務プロセスにあることを認識していないケースは論外ですが、認証審査は、多くの場合、審査員が委託契約により実施しているケースが多く、ケースによっては、1~2時間程度の審査のためにまるまる1日を潰すことになり、審査を担当することを嫌がられるのも、スルーされる理由のひとつではないかと思います。
認証機関は、効率の悪い審査について、手当を付ける、あるいは、組織に協力してもらい遠隔審査の手順を確立して実施するといった対応を取らなければ、「現場重視の審査」といいながら、記録確認主体の審査になってしまうでしょう。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ775号より)
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