(前編からの続き)

では「一般的な情報」には、どのようなものがあるかと言えば、

・規格の意味や意図の解説

・改善の機会の特定

・関係する方法やツールの説明

・関連するベストプラクティスの情報共有

などがあります。

 

つまり、例えば、ISO14001規格で「「緊急事態への準備及び対応」という要求事項があります。

この要求事項では、緊急事態の想定や準備及び対応手順の確立や訓練結果を残すことや可能な範囲で定期的にテストを実施することなどが規定されています。

この規格の意図や火災や海洋汚染における世間一般で実施されている訓練方法について情報共有することは、全く問題がありません。

 

このように考えると、認証審査を受審する組織の立場で言えば、認証審査は、「究極のコンサルの場」といえるでしょう。

(※コンサルを提供されているわけでは決して無いですが、学びの場と言える)

 

組織の管理責任者やISO事務局の場の人と話していると、

「単に、我々が作成した手順書や記録を確認して、審査が終わるのでは、意味がありません」

といわれます。

 

つまり、組織からすれば、一義的には「認証審査の価値」は、「適用規格に適合していることを第三者に証明してもらうこと」(登録証を発行してもらうこと)です。

しかし、それは、最低限のことであり、組織においてマネジメントシステムを運用している管理職やスタッフが要求事項の意図を理解して、「ISO規格を業務改善や力量向上のツール」として効果的に活用できるようになることが、本質的なISO導入の狙いなのは、言うまでもありません。

 

したがって、組織は、「第三者から質問を受け、自分たちのやり方、規格の考え方を審査員に説明する」という非日常のやり取りを通じて、ひとりひとりが「なるほど」、「こういう考え方や視点もあったのか」と気づき、さらなるシステムやプロセス改善に繋げていくことが、「認証審査を受審することで得られる価値であり期待」なのです。

 

審査をこのようなものにするためには、認証審査において、組織(被監査側)と審査員が有効的なコミュニケーションに徹することが大事です。

よく、のっけから、双方が「火花バチバチの対立姿勢」になっているシーンを見かけることがありますが、これは、本当に「もったいないな」と思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ776号より)
 

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