組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。
このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。
今回のテーマは、「遠隔審査の意外な盲点」について。
マネジメントシステム審査の審査では、規格適合性を確認するために、
・面談(インタビュー、聞き取り)
・プロセス及び活動の観察(執務室や現場(製造、サービス提供)、施設・設備の確認)
・文書及び記録のレビュー
といった方法で情報を収集します。
要は、文書や記録の確認だけでなく「三現場主義」(“現場”“現物”“現実”。机上だけではなく、実際に現場を観察すること。)が審査の基本です。
したがって、現代のようなITインフラが発達し、整備された情報化社会になっても、業界関係者の中では、「マネジメントシステム審査は、現地訪問するのが当然だよね」という考えが常識でした。
しかし、それがガラッと変わったのが、2020年から社会問題化した新型コロナ(COVID-19)ウイルスの感染拡大です。
国内の殆どの認証機関は、新型コロナ以前から、主に職員や審査員の教育ツールとしてWeb会議システムを整備していました。
けれども、正直な所、「Web会議システムを審査で部分的に活用することはあっても、主力になることはない」と殆どの人が思っていたでしょう。
ところが、新型コロナにより、一部の認証規格を除き、フルリモート審査が導入され、認証機関によっては、新型コロナ以降の認証審査の50%がリモート審査という機関もあるようです。
ある国内認証機関のPJRのWebサイトでは、リモート審査について以下のような説明をしています。
(以下、引用)
「遠隔審査」とは、オンライン会議システムを利用して、審査員が遠隔地から行う審査です。
インターネット環境と、マイク・カメラが使用可能なパソコンやスマートフォン・タブレット端末の準備があれば受審いただけます。
日程調整が大変な経営層のインタビューにも参加場所を選ばず、資料もパソコン画面上やカメラを通してこれまでの審査通りに共有することができ、現場審査も可能です。
(引用ここまで)
また、リモート審査サービスを利用されたお客様からは、
・想像以上にメリットがあり、今後も、可能な限りリモート審査形式での受審を希望する
・コスト上のメリットや審査員が地理的な制約がなく選任されることも利点である
・審査を通じた継続的な成長のためには、多様な考え方を学ぶ機会が増えるのはメリット
・・・
といった声もあがっていました。
(後編に続く)
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ770号より)
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