2021年10月6日付けのJ-castニュースが、
「トイレが外から「丸見え」に 北大、改修工事で設計ミス...「配慮足りなかった」と対応へ」
という見出しの記事を報じていました。
記事によれば、
◆北海道大キャンパス内のトイレが、通路から内部が見えてしまう事態となっている
◆「内部が見えてしまう」原因は、改修工事の際の不手際によるもの
◆北大施設整備課は、2021年10月6日の取材に「配慮が足りなかった」と回答
◆北大では現在、老朽化したトイレの改修を進めている
◆構造上の欠陥が見つかったのは、福利厚生会館(北部食堂)内にある男子トイレ
◆10月1日に工事が終わり、4日頃から利用できるが、通路から男子用便器が丸見え
◆併設する女子トイレも、手洗い場の鏡を通じて中の様子が窺えてしまう恐れがある
◆設計は施設整備課の若手職員が担当した
◆開口部の位置の確認が十分ではなく、図面の管理をする上司も見落としていた
◆6日中には、簡易的な目隠しを設置する予定
◆他の回収済みトイレも含め、点検や再工事を含めた対処を検討する
とのことです。
男子トイレの実際の写真をネットで見ましたが、確かに、外から男子の小便器が見えます。
ただ、個人的には、このトイレが、公園の公衆トイレであれば、防犯上の観点から、「許容範囲」です。
昔ながらの公衆トイレは、結構、立ち小便しているところが、トイレ入口の角度的に、「見ようと思えば見える」構造のものがあるからです。
ただ、このニュースで話題となった男子トイレは、北大札幌キャンパスにある福利厚生会館内のトイレなので、防犯面は、公園の公衆トイレほど気にする事項では無く、報道の通り、配慮が不足していたと思います。
私が気になるのは、マネジメントシステムの観点です。
例えば、
・施設課の設計担当職員は、これまでにトイレ設計をしたことがあったのか
・設計審査段階で、トイレ設計に必要な注意・確認ポイントは決めていたのか
・設計検証では、検証項目が決められていたのか
・設計検証した上司は、検証者として適切な力量があったのか
・施工業者は、施工中に設計者に「丸見え」の懸念に気づいていたのか
・施主であり設計者と施工業者のコミュニケーションは適切だったのか
・施工の完成検査では、図面通りの施工の有無以外に、「丸見え」は確認したか
・・・
などです。
そもそも、設計者や施設課管理職に「この程度、男子トイレの内部が見えるのは問題ない」と外部(利用者)から指摘されるまで、認識が無かったとしたら、「トイレの丸見え構造」は、「起るべくして起った」必然です。
このような事態が起きないように、設計者には、利用者の気持ちなど時代感覚が必要です。
また、「設計審査」で、関係者から「設計上の考慮事項」を確認するプロセスが必要なのです。
改修工事がされる前に、北大札幌キャンパス福利厚生会館のトイレをチェックして現物を見てみたいと思います。
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