組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。
このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。
今回のテーマは、「ISO認証審査回顧録(前回指摘と申し送り)」について。
いまでこそ、「中年のおっさん」になってしまいましたが、20年前は、業界の中では「年齢は若手だけど業界経験は中堅」という立場でした。
そのため、30代前半の私が50代、60代の「社会経験と人生の大先輩」の方々を仕事上は、指導することがよくありました。
あるとき、50代後半の方の訓練をしているときに「マネジメントシステム構築指導や監査に携わってのやりがいってなんですか?」と質問されました。
月並みな答えですが、
・マネジメントシステムはある意味、企業はもちろん、社会的インフラという自負がある
・監査を通じて組織の業務改善が促進し、関係者の気づきが促せる
・組織から感謝され、経営の一翼を担っている気がする
・・・
などと話しました。
実際、マネジメントシステム構築・運用指導やマネジメントシステム監査の指摘を通じて、組織が仕組みの改善や意識改革に繋がっている実感が得られると、なんとも言えない喜びを感じました。
ただ、指摘の意図が上手く伝わっていなくて、組織のマネジメントシステム改善や意識改革につながっておらず残念、と思うときもあります。
指摘や申し送りの意図が上手く伝わらないケースを列挙してみます。
・組織の事務局が代わって、指摘の意図がしっかり組織内に理解されていない
・組織側の判断に委ねる改善の機会や口頭指摘について、組織に検討する仕組みが無い
・認証機関側の次回審査員が代わり、指摘の意図を理解していない
(指摘を検出した背景や熱量が次回審査員には、なかなか伝わらない)
・その結果、組織の取り組みをしっかりと確認・評価・フォローしていない
・指摘する側の伝え方が悪く組織に本質的な意図が伝わっていない
・指摘自体が、組織の三歩四歩先を想定した指摘で、組織側がピンときていない
・・・
などです。
特に、認証審査の場合、審査員と組織側事務局の両方が代わると、指摘の意図がすっかり薄れ、矮小化されて処理がされているケースが多いです。
マネジメントシステムですから、審査員や組織事務局が変更されても、指摘内容がちゃんと引き継がれる仕組みにしなければ本来、認証機関、組織ともに「ダメ」なのですが、実際は、指摘内容が、「その場にいないとわかりづらい」ものもあります。
審査やコンサルティングで、自分が指摘したことをもっと検討してくれたら、どうにかなっていたのかも、と感じる事例が生じたときは「ほれみたことか」と意地悪な気持ちには、意外となりません。
しかし、問題の本質を追求しきれず、あるいは、伝えきれなかったことに「俺もまだまだだなぁ」と反省する次第です。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ748号より)
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