(※ISO認証制度:情報の入手と検証(その1)の続き)
《プロセス及び活動の観察》
これも、単に現場を巡回して、製造現場において、設備の運転状況や作業者の作業状況を見ればよいという話ではありません。
例えば、
・作業時期に限定された季節性や時間帯の有無
・シフトがある場合は、引き継ぎ作業の観察
・朝礼や終礼などミーティングや当日の指示作業
・イレギュラーな作業の観察
・重要な工程や作業手順の観察
・・・
といったことを考慮して、審査の日程調整や現場巡回の時間を組む必要があります。
よくあるケースが、「その日の生産計画の都合で、ある製品の工程が動いていなかった」というケースです。
その場合、審査員は、組織の担当者にシミュレーション的に作業方法を説明してもらって、作業手順や作業上の注意点を確認しています。
しかし、「前回審査も現場が稼動しておらず、シミュレーションによる検証」だったとしたらどうでしょう。
これは、明らかに、審査側の準備不足だと思います。
組織側に突発的な事情がある場合は、やむを得ないですが、あらかじめ組織の稼働状況を確認しておけば、日程を変更するなど、適切な審査時期に訪問できたはずです。
c) 文書及び記録のレビュー
書類審査は、組織から手順書や記録を提出してもらっての文書、記録の検証です。
では、現地審査における「文書及び記録のレビュー」は、どうしたら、効果的に実施できるのか、と言う視点で考えてみます。
ポイントは、
・実際に現場で使用されている文書は最新か
・作業手順書の改定は、どのような理由で改定されたのか、またその周知は?
・記録の確認は、自らサンプリングしているか
・サンプリングする場合、生産の繁忙期、閑散期などを考慮しているか
・・・
といったことは、少なくとも頭に入れて、確認することが重要です。
ここで述べたような審査のポイントは、機転が利く審査員なら自然と実施していることが多いです。
しかし、審査経験が不足している、あるいは、そもそも審査員としてのセンスがない人が審査を担当すると「えっ、これじゃ、単に見ただけじゃん、聞いただけじゃん」と効果的な審査(情報の入手と検証)とは決して言えないのに、「どこがおかしいのでしょうか?」とまるで改善の必要性を感じない人も意外と多いです。
審査が形骸化することは、すなわち、「監査の価値低下」なので、なんとかこれらのポイントをしぶとく伝えていきたいと思うこの頃です。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ761号より)
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