先日、ブログサイトの事務局から、
「個人の権利を侵害する情報の送信防止措置の照会」
というタイトルのメールが届きました。
端的には、約10年前に投稿した記事が「プライバシー侵害」に相当するので、
・個人の権利を侵害する情報という判断に同意するかしないか
・同意する場合は、記事を削除するなど対応を取ってください
という要件でした。
約10年前に投稿した記事は、
・某飲食店が法人税、所得税等を滞納した
・売上金の一部が経理担当者の口座に振り込まれていた
・飲食店を実質的に管理する会社と運営会社の経営者などが国税徴収法違反で逮捕
が主な内容で、ソースは、大手メディア記事から引用しているとし、出典も明らかにしたものでした。
この某飲食店の代理弁護士の主張(概要)は、
・本件情報は、既に10年程度経過している
・現時点においてまで氏名を推知される情報を使用する必要性は乏しい
・本件情報の事実を公表されない法的利益がこれを公表する理由に優越するといえる
・したがって、記事が依頼者のプライバシーを違法に侵害するものである
というものです。
一般論として、「プライバシー侵害」と「名誉毀損」をおさらいしておきます。
《プライバシー侵害》
・未公開の私生活の情報を望んでいないのに第三者に開示、公開されること
《名誉毀損》
他人の名誉を傷つける行為のことで、成立するには、3要件があります。
・公然
「公然」とは、「不特定多数が知る可能性がある」状態
・事実を摘示
事実として周囲に伝えること
・名誉を毀損
特に「社会的名誉」を傷つけること
ただし、「名誉毀損」と認められない3つの要件があります。
・公共の利害に関する事実
・公益を図る目的
・真実であることの証明がある
例:企業の不祥事を調査して告発するケース(公益を目的としている)
ちなみに、この記事は、新聞記事を引用し、飲食店の1日あたりの売上について考察したものです。
「税金滞納」、「国税徴収法違反」ですから、「個人の事件」という側面もなくはないですが、「会社の不正」ですので、「プライバシー侵害要件」である「望んでいない私生活の情報」ではないと思います。
また、会社の問題ですから「公共の利害に関する事実」、「公益を図る目的」、「真実であること」の3要件に該当するので、「名誉毀損」でもないでしょう。
争点になるのは、
「(記事により)事実を公表されない法的利益がこれを公表する理由に優越するといえる」
の部分です。
「優越すると言える」とする根拠を示して欲しいところです。
しかし、個人的に、この飲食店や経営陣に私的な悪感情はないので、記事を削除しました。
最近は、コンプライアンスの時代なので、報道された事実であっても、「記事で取り上げたいのは事例」であって、「誰が」は、どうでもよい話なので、特定しにくいように編集しています。
しかし、うっかりしていたのは、かなり以前に投稿した記事は、「どこ」とか「誰」について、伏せているようで、実は調べればすぐわかるものもあるのです。
ブログは、2005年から継続しているので、投稿記事総数は6000弱なので、時間を掛けて過去記事を中心に総点検しようと思った次第です。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ763号より)
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