2021年4月15日付の時事通信社が、

「スバル、23.4万台リコール エンスト恐れなど、事故1件」

という見出し記事を報道していました。

 

記事によれば、(※筆者編集)

◆スバルは15日、リコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出た

◆対象は、3車種、合計23万4009台(2016年10月~19年5月製造)

◆「インプレッサ」など2車種計13万7449台(16年10月~19年3月製造)

(エンジンの制御プログラムが不適切で回路がショートし、走行中にエンストする可能性がある)

◆「フォレスター」など2車種、合計9万6560台(17年4月~19年5月製造)

(車体の揺れを抑える部品を固定するボルトが緩み、脱落により車体を傷つけたり、異音が発生したりする恐れがある)

◆不具合は合計178件報告されている

◆2020年12月には福島県内で一般道を走行中のXVがエンスト

(けが人はいなかったが、後続車に追突される事故が発生)

だそうです。

 

自動車メーカーのリコール隠しと言えば、

「スバル→三菱ふそう・三菱自動車→トヨタ」

の順番でかつて発生した歴史があります。

それを考えれば、ちゃんと、リコールを隠さずに国交省に届出したのは、真っ当です。

 

自動車技術には素人同然の私ですが、印象としては、「エンストの可能性」は、エンジンの制御プログラムに原因があるようなので、「完璧な自動運転が当たり前の時代になるのは、まだまだ先なのかな」と思います。

 

「部品の脱落により車体を傷つけたり、異音を発生する可能性」は、昔ながらの自動車技術の不良ですが、設計の妥当性テストは十分に実施されていたのか、検証してほしいものです。

 

あと、マネジメントシステム的に気になるのは、

・リコール対象車の時期

・不具合報告178件

です。

前者については、エンスト対象車が「2016年10月~2019年3月製造」、ボルトの緩み対象車が「2017年4月~2019年5月製造」なので、いずれも、2019年3月、5月には、「対策仕様車」にしていると言うことです。

つまり、それまでに発生したエンストやボルト緩みは「個別の事象」として、要は、製造不良や個々の自動車特性として「修理」で済ませてきたわけです。

うがった見方をすれば、「178件」という問題の多さになるまで、「対象車種の構造上(設計上)の問題」として捉えずなかった訳で、例えば、この不具合報告件数が100件未満だったら、リコールせずに済ます(世間から見たらリコール隠し)可能性があったわけです。

スバルのリコール基準や運用ルールが適切なものであったのか、しっかり社内だけでなく、第三者にもチェックしてもらいたいものです。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ745号より)
 

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