組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

 

今回のテーマは、「マネジメントシステムにおける“対象製品”の考え方」について。

◆マネジメントシステム認証の製品は、製品毎ではない◆

 

ISOマネジメントシステム認証における「対象製品」を考えてみたいと思います。

結論から言えば、「製品毎の認証」ではありません。

例えば、自動車メーカーで考えてみます。

わかりやすくするために、現実的な例えではないですが、「ホンダ」で考えてみます。

ホンダの車種には、例えば、フィット、オデッセイ、フリード、CR-V、アコードなどがあります。

 

マネジメントシステム認証の製品表記は、例えば、

・商品名

・製品に形容詞を付ける(例:おいしい清涼飲料)

・「など」、「その他」など曖昧な製品表現

は表記できない決まりなので、自動車メーカーの例で言えば、そもそも「車種を表記」することは無理なのですが、何を言いたいかと言えば、「組織がISO対象製品を製品毎区分けすること」は、基本的にできません。

 

話を戻して、ホンダの車種の例で言えば、要は、

・ISO対象製品:フィット、アコード、CR-V

・ISO対象外製品:オデッセイ、フリード

と区分けすることが間違っていて、あくまでも「自動車の設計、製造」でマネジメントシステムを構築しなければなりません。

 

仮に、引き続きホンダの車種の例で考えると、

「自動車の設計、製造(ただしミニバンを除く)」

という区分けで、マネジメントシステムを構築・運用し、認証を受けることは、可能かもしれません。(※認証機関の判断によります)

 

私のこれまでの経験で、知り得ている範囲では、組織が、「受注金額で区切る事例」や「顧客限定で区切る事例」は、かつては、多く存在しました。例えば、建設会社の場合、

「建築、土木工事の設計、施工管理(ただし受注金額5000万円以上の案件に限る)」

「建築、土木工事の設計、施工管理(ただし、官公庁工事に限る)」

というようなケースです。

組織の考えとしては、工期が数日の数百万レベルの工事案件や官公庁発注の工事案件以外は、ISO対象とすると管理が面倒、という理屈です。

 

個人的には、組織及び認証機関に、「対象、対象外の区分けと管理がしっかりできた状態でマネジメントシステムが構築されており、認証審査が実施され、適合組織の公表がされている」のであれば、「限定された製品の登録」(QMSの場合)は、理屈上はありかな、と思いますが、管理レベルの程度を要求事項に合わせてルール化(仕組み)すればいいだけなので、「限定された製品の登録」はナンセンス、という気がします。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ747号より)
 

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