2021年4月15日に発生した東京都新宿区にあるマンション地下駐車場の天井張り替え工事中に男性作業員4人が亡くなった事故について、各メディアの報道で、当時の状況がわかってきています。

各メディアによれば、

・作業中に消火設備から二酸化炭素(CO2)が放出された

・この工事に、消防設備の知識がある消防設備士などの有資格者が立ち会っていなかった

・総務省消防庁はCO2消火設備の周辺工事の際は、有資格者の立会を通知している

・警視庁捜査1課は業務上過失致死の疑いで、安全管理が適切だったか調べている

・現場責任者は、数年前に、同じマンションで同様の工事をした

・CO2で事故が起きるとの想定はなかった

そうです。

 

テレビ報道で、元請組織の現場代理人や関係者は、“総務省の通知は認識していたが、法律ではないので有資格者を立ち会わせていなかった”、“作業前に注意事項として消防設備の注意事項は伝えた”ということですが、いろいろと調べてみると、今回の事故のそもそもは、現場責任者の知識不足が招いた人災だと思います。

 

ちなみに、ヤフーコメントに消防設備士の方が以下のようにコメントしていました。

 

(以下、コメントより引用)

消防設備士です。

消火ガス設備がある場合の立ち入りは、ガス盤の自動から手動に切り替えが常識です。

手動に切り替えれば、人が任意に起動スイッチを押さない限り、基本的にガスが放出される事はありません。

ニュース映像にもありましたが、今回は煙感知器と熱感知器の両方の作動で、自動でガス放出されるシステムです。

感知器はプラスとマイナスの電源線が付いており、感知器か作動しなくとも、天井解体などで短絡してしまうと誤報を起こしガスが出ます。

漏水などで短絡して誤報の危険があったにも関わらず、手動切り替えを行わなかったのは知識不足からくるヒューマンエラーだと思います。

消防設備士としては防げた悲しい事故です。

亡くなられた方のご冥福をお祈りします。

(引用ここまで)

 

つまり、ひと言で言えば、「消化ガス設備(CO2消防設備)を自動から手動に切り替えていなかったために、作業中に電線が短絡して誤作動した」ことが事故の原因です。

この危険性を現場責任者は認識していなかったわけですから、そこが問題です。

さらにいえば、そのような力量の人物をこの現場責任者に割り当てた元請組織のマネジメントシステムにも問題があります。

元請組織のマネジメントシステムの見直しも徹底して欲しいですね。

 

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