組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。
このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。
今回のテーマは、「審査のマンネリ化対策」について。
日本においては、1990年代はじめに、国際マネジメントシステム規格(ISO9001)の認証制度が本格化したので、制度の初期からマネジメントシステムを導入している組織にとっては、認証取得から30年近くになるところもあるようです。
企業のトップとしては、マネジメントシステム認証制度における経営システムの有効性を認めつつも「マネジメントシステムのマンネリ化」をひとつの懸念材料と考えている経営者も多いようです。
企業の「マネジメントシステムマンネリ化対策」としては、
・内部監査のやり方を見直す
(例:マネジメントシステム監査に精通した外部の専門家を入れて実施する)
・管理責任者や事務局を固定化させずに社内でローテーションさせる
・改善提案制度を充実させる
・認証機関を変えてみる(例:今までと違う視点での監査が期待できる)
・・・
といった方法が定番でしょう。
一方、認証する側の認証機関の管理側(認証機関本部)にも「マンネリ化」の課題があります。
例えば、
・組織の地域性、分野専門性より審査員が数年間固定されている
・認証審査で、本質的なMSに関する指摘があまり出ていない
・組織からのアンケート結果が可もなく不可もなく状態になっている
・・・
といった状況です。
勘のいい認証機関本部であれば、
・組織の認証審査に対する満足度は低下気味だぞ
・他の認証機関に移転されてしまうかも
といったリスクを感じることでしょう。
そこで、取る対策としては、
・チーム編成を入れ替える
(例:コストはかかっても、他地域の審査員を配置する、技術専門家を入れて専門性のない審査員を配置する、チームリーダーとチームメンバーを入れ替える など)
・審査の焦点事項に変化を持たせる
・審査方法を見直す
(例:稀少事例をサンプリングする、よいMS事例を積極的に評価する など)
・・・
といった方法です。
組織も認証機関も、認証審査を「単なる年中行事」と捉えずに、こうした努力を重ねることが双方にとって「マンネリ化を防ぎ互いの価値創造力を向上させること」につながるのでしょう。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ719号より)
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