人との交流でストレスを感じるひとつに「自分の表現に固執する人」と接すること、があります。
仕事の打ち合わせで、初対面の人とコミュニケーションを取る場合にこの手のタイプの人に遭遇してしまって、ひと悶着ある時は、「自分の伝え方に問題があってもうちょっと工夫するべきだったのかな」と反省することもしばしばあります。
しかし、例えば、プライベートの趣味の仲間や仕事の業界仲間といった比較的、双方の考え方や性格が理解できている相手でも、「同じ意見なのに堂々巡りの言い合いをしてしまう」ことがあります。
つまり、
・お互いほぼ同じ意見である
・お互いほぼ同じ考えである
・お互いの主張の方向性はほぼ一緒である
という状態にもかかわらず、話がかみ合っていない時です。
その場に、第三者がいて「AさんとBさんは、表現は違うけど一緒の意見だよ」とジャッジしてくれると収まります。
ただ、「どちらか一方がお互いの意見や主張はほぼ一緒だよな」と気づいたにもかかわらず、「相手がそれをわかってくれない」時は、「ほぼ一緒」と気づいた側のストレスは半端じゃないです。
この状態が、研修会における「グループディスカッション」の時であれば、「自分の表現に固執して議論が前に進まないと時間内に作業が終わらないから、まぁ、いっか」と、私は一歩引いた立ち位置になります。
研修会企画者の意図からすれば「リアルビジネスの世界にこういうタイプの人がいることを理解してコミュニケーションスキルを学んでください」ということでしょうから、私のように「この人と議論しても時間の無駄」とグループワークをこなすことに精を出すのはよくないのかもしれません。
リアルなビジネスの世界、例えば、会議や商談でこの状態になると、本当にストレスがたまります。
研修会のグループワークのように「議論しても時間の浪費、無駄」と割り切って、こちらが引いてしまえばいいや、と引いてもその後のビジネスに影響がない場合はいいのですが、あとあと「あなたがあの時、こういったでしょ」と相手に誤解をされている時は、「誤解を解消しておかないと後で面倒」という意識が働き、さらに議論がヒートアップして収拾がつかなくなりそうなときがあります。
私の仕事では、「コンサルティングや監査」というシチュエーションが日常ですが、自分が「助言する側、監査する側」の時は、結果として「一歩引く」、「議論をフェードアウトさせる」のは私(助言側、監査側)になります。
それは、限られた時間内で仕事をしなければならないので、「伝えきれなかった」とあきらめるしかないからです。
「自分の表現に固執する人」の背景を(感覚的ですが)以下に整理すると、
・頑固である
・自意識過剰である
・心配性である
・プライドが高い(言い負かされたくない)
・理解力がない(理解する力が年齢とともに衰えた)
といった点ではないかと思います。
固執する人のケースで「心配性の人」の場合は、「うまく表現できていないかもしれませんが、おっしゃられることは理解しました、大丈夫ですよ」と伝えると、大抵の場合は、そこでやりとりは終結します。
厄介なのは、「相手が使っている表現で言い直さなければ絶対に理解してくれない人」の場合です。
「ほとんど一緒の意見、やや違いはあるが大勢に影響がない」にもかかわらず、ずっと「いや、そうじゃなくて・・・」と議論をふっかけてくる人とは、「忍耐勝負」です。
この手のタイプは、こちから「もう議論は止めましょう(ほとんど一緒だから)」、「あなたの言ってることはわかりました」と議論を打ち切ると、「逆上」するケースがあります。
この場合は、「どうやったらお互いの主張はほぼ一緒ですよ、と理解してもらえるのだろう」というストレスを強烈に感じますが、逆上されたらおしまい、と思って言葉遣いを丁寧にして、謙虚に行くしかないです。
スルーするケースは、「相手がわざと議論を吹っ掛けている場合」です。
相手の役職など立場上、「議論を吹っ掛けている」、「指摘されると困るからあなたの理解は間違っている」とわざと「意見を曲げない」、「話がかみ合っていない」フリをする戦術をとる人の場合は、さらっとうまく切り上げるしかないです。
若い頃は、このように「話のかみ合わない人ともうまく折り合いをつけたコミュニケーションができるようにビジネススキルを向上させよう」と考えていた時期もありました。
しかし、ジレンマですが、相手の状況(心配性、リアルに理解できていない、わざと理解できていないふりをする)をこちらが見えているとストレスがたまるのです。
要は「状況を理解できていない方がよっぽど楽なんじゃないか」と思います。
「マイペースな人は長生きをする」と言われています。
これは、
・相手が折れてくれる
・この人はこういう人だから取り扱い注意、と気を回してくれる
などとまわりが配慮し、忖度するからきっとストレスを感じることが少なくて、精神衛生が蝕まれないからではないかと思います。
ある意味、うらやましいです。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ645号より)
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