大相撲九州場所10日目(11月17日)に、横綱白鵬が関脇栃煌山に対して奇策の猫だましを2度仕掛けて勝利した。
その勝ち方について、北の湖理事長は、「横綱らしくない」と苦言を呈したという。
この手の議論は、相撲界では、昔から言われている。
つまり、「横綱は横綱らしい相撲を取れ」という論法である。
野球でいえば、「ホームランをガンガン打って勝つ」ことを信条としているチームが、「塁に出たランナーをバントや盗塁で進塁させ、機動力中心で勝つ」野球をしていたら「うちらしくない勝ち方」という感じである。
要は、横綱たるもの、「押し出し」「突き出し」「寄り切り」といった、四つに組んだいわゆる「横綱相撲で勝利するのが基本形」という考え方である。
確かに、大相撲は「SUMOU」として世界選手権も開かれる「スポーツ」というよりは、「神事」という側面もある。
したがって、単に「勝てばいい」というだけではなく、土俵外の「品格」も問われる。
かつて、横綱だった朝青龍がスーツで公式の場に出席したら関取は「着物」を基本としているから協会からも世間(マスメディア)からも非難された。
しかし、北の湖理事長は、典型的な「横綱」だったから「寄り切り」や「押し出し」中心の相撲協会が理想とする横綱であったから「横綱らしい相撲を取る」ことは可能だった。
けれども、体力的、体格的なハンデを背負った小兵力士が、横綱になったとしたら、おそらく、勝ち方の多くの割合は、「はたき込み」とか「とったり」とか「突き落とし」などいわゆる「本流でない勝ち方」になるはずだ。
したがって、あくまでも個人的であるが、白鵬の「猫だまし」は、突進型の力士の勢いを少しでも止めたい「工夫(技能)の表れ」と私は評価したい。
これは、私の相撲観であるが、
「でかい力士が力で勝つのはある意味。小さい力士が工夫を凝らして技を繰り出すのも相撲の醍醐味」
と考えている。
だから、大昔なら、増位山(2代目)、鷲羽山、栃赤城、少し昔なら、智の花、舞の海といった力士は大好きであった。
ただ、体格的にも「横綱」らしい白鵬が、「猫だまし」をしなければ、「勝てないかも」という状態ということは、本人も、「体力の衰え」を感じているのかもしれない。
この辺も、大相撲のオールドファンなら「横綱相撲が取れなくなったら引退するべき」という論法になるのかもしれないが、白鵬関には、「灰になるまで」土俵に立っていてほしい気もする。
つまり、「横綱になった当時と晩年期の相撲の取り組みは全然違う」ということでも、相撲ファンにとっては、面白い楽しみ方じゃないかと思うのである。
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