2012年年8月16日付の産経新聞によると、魚釣島に香港の活動家団体「保釣行動委員会」上陸した事件で、沖縄県警と第11管区海上保安本部は「入管難民法違反(不法上陸・入国)」で現行犯逮捕した14人を17日に強制送還するという。
2年前の中国人船長の逮捕の時と比較すると、電光石火の決定であるが、これは、中国、日本双方の思惑が「臭いものにふた」の決着をしたいかららしい。
つまり、事態を司法手続きで長引かせると、中国は、前回のようにレアアースの輸出停止などの措置を取り、日本も中国に対してなんらかの経済対策を取ることになる。
これは、双方にとって「望ましいことではない」のだ。
したがって、今回の香港活動家の件も、事前に魚釣島への上陸計画は分かっていたが、敢えて、上陸させて、手続きとして強制送還しやすい「入国管理法違反」の罪に問いたかったらしい。
元防衛相の石破茂氏などは、「他の法令違反も見つけて法で裁くべき」と主張している。
確かに、香港の活動家は、事前にレンガを用意して、海上保安庁の巡視艇が近づいてきた際にレンガを投げつけてきており、厳密には、器物損壊や公務執行妨害にも問うことは可能であろう。
しかし、面倒だから、敢えてスル―したいわけだ。
ただ、中国にしても、韓国にしても、戦後、日本海や東シナ海の海洋・海底資源が豊富なことから領土権を主張しはじめた。
すると、間違った歴史認識が新しい中国人や韓国人世代に芽生え始めている。
日本人だって、新しい世代は正しく領土問題を理解していない。
経済的な相互関係を考えれば「臭いものにふた」的解決が手っ取り早いが、もう、この方式ではダメになってきていると思う。
中国人や韓国人に「尖閣諸島や竹島は日本の領土である」と自覚させる対抗手段をきちんと示していくべきなのである。