記事によるとNHKはその経緯を、
a)前作が2作連続で平均視聴率のワースト記録を更新した
b)来週の朝ドラ(川越市を舞台とした「つばさ」。ヒロイン多部未華子さん)で47都道府県を網羅することで一つの区切りと捉えた
と述べているという。
朝ドラの平均視聴率は年々低下傾向にあり平成15年に20%を割り込んでいる。
この秋からは「ふたりっ子」で人気者になった三倉姉妹をヒロインに起用した「だんだん」(ナレーターにはなんと竹内まりやさんを起用)が始まったが初回視聴率は16.8%と歴代初回視聴率のワースト3だった。
ただ個人的には「価値観が多様化した現代で視聴率が15%も超えているなんてすごい」と思う。
地上波で放送されている8:15~8:30の時間帯、他局は朝のワイドショーを放送しているがそれらの視聴率はせいぜい10%だ。
最近の視聴率の低下原因は大きく3つあるといわれ、それは、
(1)他局のワイドショーの時間帯が繰り上げられた
(2)リアルタイムで、自宅で視聴可能な人が減った
(3)衛星放送による先行放送が定着した
である。
だから、この3つの原因が大きいとすると「十分健闘している」と思うのだ。
素人考えでドラマがヒットする影響要素を考えると、
・キャスティング(配役)
・ストーリー
・放映時間帯
があると思う。
朝ドラの視聴のされ方は「朝の時計代わりに」「朝食時に家族一緒で」が基本だから、衛星放送での先行放送が定着し便利になり、ワイドショーの時間帯が繰り上げられると朝ドラの特徴である「朝の習慣として視聴する」が崩れる。
こうなると、キャスティングやストーリーをちょこっと工夫したところで大して視聴率向上の改善には寄与しない。
もともと朝ドラは「新聞小説があるようにテレビ小説もあってよいだろう」というコンセプトのことで1961年に始まった。
題材は、かつては「逆境に負けずに逞しく生きていく戦前戦後の女性」が中心だったが、マンネリ化、視聴率の低下から最近は「現代を描いたサクセスホームドラマ」が多くなった。また1980年代には男性を主役にした時代もあり試行錯誤してきた。
しかし「朝の習慣で朝ドラを見る」という基本が崩れつつある今では、視聴率に走るなら、あとは「社会現象となるような話題性」を狙うしかない。
ただ、朝ドラは「あんまり凝らずに、ストーリーやキャラクターが濃過ぎず、暑苦しくなく、爽やかで、空気のような存在」で制作していってもらえればいいのかな、とも思う。
なぜなら視聴率が落ちているといっても視聴率は15%を超えていることから「朝の習慣として視聴する層」はまだまだ多数存在する。
また、前々作の「ちりとてちん」のDVD販売は史上最高を記録しているし、かつて朝ドラでヒロインを演じた女優さんが母親役やお祖母ちゃん役で朝ドラに帰ってくるのは楽しみだし「長く続いた伝統」があるからこそなしえる技だ。
こういった状況から朝ドラの人気や使命、質が低下した結果の「視聴率」という結果ではないと思う。
テレビ・広告業界は「単純視聴率」という怪しい数字(プロセスの監視基準、ものさし)だけで「目論見(もくろみ)通り(計画通り)の結果が達成できた・失敗したと評価すること」の呪縛から解かれるべきではないだろうか。
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