過去の受賞者と合わせても16名だから、今年だけでノーベル賞受賞者の25%を占めている。
この結果は、日本人研究者の研究の価値が正当に評価された結果と言えるのだろう。
受賞者の年齢をチェックしてみると、64歳(物理学賞の小林誠博士)、68歳(物理学賞の益川敏英博士)、80歳(化学賞の下村脩博士)、87歳(物理学賞の南部陽一郎博士)と直近の受賞者(化学賞)である2002年の田中耕一氏(当時43歳)と比較すると高齢である。
ノーベル賞は「発見から受賞までが平均10数年」と言われている。
そう考えると、今回の日本人受賞者達が理論を確立、あるいは発見してから受賞までの年月は南部氏の確立した理論は1960年代、小林・益川理論の確立は1973年、下村氏がクラゲから発見した緑色蛍光タンパク質(GFP)は1961年であるから35~40年以上と長い。
もちろん、ノーベル賞の選考基準は「評価が定まった研究」を対象としているため受賞までの年月がかかるのは仕方がない。
つまりノーベル賞は「実証」を重んじているため基本的に「理論確立(あるいは発見)→開発」という過程を経たものが選考対象となるから「理論確立(あるいは発見)」が授賞理由になっている4氏の受賞年齢が高齢になり、「開発」が授賞理由の田中氏の受賞年齢は若いのだろう。
毎回、ノーベル賞の受賞者の記者会見をお聞きしていると「キャラが濃いなぁ」と感じるが今回の4氏もまた濃い。
「受賞は大して嬉しいことではない」「(2001~02年に)理論が正しいことが実証された時が一番うれしかった」「風呂桶を跨いだ瞬間にひらめいた」「英語のスピーチを強要されるなら授賞式出席は辞退する」などの発言で物理学賞受賞の益川博士のキャラが際立っているが、化学賞受賞の下村博士の「自分は(旧長崎医大という)小さな地方の大学の出身だが、それでもノーベル賞を取ることはできる」、「アメリカでは結果を出さないといけないからプレッシャーになった。日本にいたらもっと楽できただろう」、「若い人の傾向として、困難に突き当たると安易な方向に向かいがちだが、自分が興味を持った課題を見つけたら、それをやりとげることが大切。難しいからやめるのはよくない」というコメントも私には印象に残った。
それにしても、「困難に突き当たると安易な方向に向かいがち」は耳が痛い(汗)
下村博士のGFPの発見が応用と実用化につながったのは「GFPの利用価値にまったく興味がなく特許を申請しなかった」とも言われている。
「研究成果を出すことが生きがい」という権利やビジネスにこだわらない立場の人がいるから世の中の技術は発展するのかな、とも思う。
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