先日、仕事関係の知人に予約してもらった首都圏のある駅の近くにあるビジネスホテルに訪れた時のこと。
チェックインするとフロントの係の方から「御連泊のお客様へ」という注意書きの入ったカードを渡され、「注意書きをよくお読みください」と指示された。

「御連泊のお客様へ」には、
1)清掃のお時間は10:00~13:30(14時終了)となっております。
2)清掃不要のお客様はフロントにお申し付けいただくか「Please Don’t Disturb」の札を通路側ドアノブにおかけ下さい。
注)外出時は「Plaese Make up Room」にかけかえください。
 「「Please Don’t Disturb」のままですと清掃に入ることができません。
3)ゴミ箱内のゴミ以外は回収できませんので予めご了承ください。
と明記されている。

つまり「お客さんにも協力してもらって業務の効率化を上げる注意書き」なのだ。
知人に予約してもらったホテルは、
・首都圏の駅に近いホテルであること
・部屋がビジネスホテルにしては比較的広いこと
を考えると割安な宿泊料金だった。

しかし、
・築年数がかなり古いこと
・レストランや喫茶室が常時営業していること
・会議室など小ホールも備えられていること
・部屋の構造がビジネス向きでないこと(コンセントの位置、照明の明るさ)
・禁煙ルームは、部屋にその表示があるが、途中から禁煙専用ルームに切り替えている
(消臭剤が常設されており、喫煙に敏感な宿泊客なら若干臭いが気になる)
という状況から考えると、
1)以前はビジネスホテルよりは少し上のランクのホテルだった
2)時代の変化かとともに経営者はビジネスホテルに転換したいが設備投資上の問題を抱えすぐにはできない
ということが想像される。

経営者の立場に立って考えると「一度大型の設備投資したものを、客層の変化や顧客ニーズの変化に対応させるためには悩ましいし、努力や苦労もかかるよなぁ」と思う。
そうなると、ホテル業務で日常的にコストがかかる「客室清掃」部分のコストダウンを図って近隣の新しいビジネスホテル専用ホテルと対抗するしかない。

客室清掃のパート従業員の勤務は「3~4時間」の契約の人が多い。
一般的にシティホテルの場合、清掃の標準作業時間をシングルルームだと22分/室に設定しているケースが多いので、作業員あたり9室/日程度を担当する。
おそらくビジネスホテルの場合は、標準作業時間を15分前後にしているのではないだろうか。
したがって、主要清掃ポイントが「ゴミ箱」「風呂トイレ」「ベッド」に絞れるようにお客さんにも協力を求めているのだろう。

シティホテルで「王様気分」「優雅にくつろぎたい」時は、そういった雰囲気を味あわせてくれるのも「宿泊料のうち」と思っているが、ビジネスの場合は「仕事先に近くて便利」「宿泊料が安い」が求める優先順位になるから協力するのは全然問題ない。

それにしても、ホテルなど中小企業や個人オーナーレベルで考えて設備投資のかかる施設を経営する場合、ここ数十年の「客層」と「顧客ニーズ」の変化も予測して考慮しておかないと、経営するのは大変だなぁ、と感じた次第である。

【よかったらクリックお願いします♪】
ブログランキング・にほんブログ村へ
ブログランキングranQ
企業家ブログhttp://www.kigyoukablog.jp/ranki.cgi?id=35