競技種目からの除外については、
・共に世界的な普及度が高いとはいえないこと
・野球でメジャーリーグ選手の出場がなく、世界最高レベルの競技が行われていないこと
が理由とされている。
しかし、ソフトボールの場合、実際のところは「発祥国でもあるアメリカが強すぎる」という感情的な理由もあるようだ。
実際五輪ではアトランタ、シドニー、アテネとすべてアメリカが優勝してきた。
もちろん、アメリカが優勝してきたのは「アメリカが強いから」ということもあるが、「ページシステム」という独特な決勝ラウンドがあることも一因だろう。
ページシステムとは、決勝トーナメントに進んだ上位4チームについて、予選リーグ1位と2位による準決勝と予選リーグ3位と4位による準決勝を行い、予選リーグ1位と2位の勝者が決勝へ進出、敗者は予選リーグ3位と4位の勝者と3位決定戦を行う。この3位決定戦の勝者が決勝へ進出し、敗者は3位となるシステムだ。
つまり、五輪の場合、他の球技が決勝トーナメントは「負けた時点で金メダルとはサヨナラ」なのに対して、ページシステムを採用している場合、予選リーグで1位か2位になっていれば「負けても金メダルの可能性がまだ残されている」のだ。
したがって、このシステムの場合、アメリカのような選手層の厚い総合力に勝るチームが有利となる。
今回の北京五輪出場のソフトボールの8チームは、
世界選手権4位までと開催国(アメリカ、日本、オーストラリア、中国、カナダ)、アジア・オセアニア地区最終予選優勝国(台湾)、ヨーロッパ・アフリカ地区最終予選優勝国(オランダ)、北中南米地区最終予選優勝国(ベネズエラ)だから、ロンドン五輪では中国がイギリスに変わるぐらいで、ヨーロッパ的にはまるで盛り上がらないこと必至なので外れるのは無理もないなぁ、と思う。
柔道についても、1964年の東京五輪で正式競技に採用されたが、1968年のメキシコ五輪では外され、1972年のミュンヘン五輪で復活して現在に至っている。
ソフトボールについては、ヨーロッパ、アフリカ地区の代表国が五輪や世界選手権で決勝トーナメントに進出できるようなスポーツにしむけていかなければ、地域的な関心が低くなり、五輪種目から外されるのは当然だろう。
それにしても北京五輪の日本の福田団長の閉会式後の記者会見で「強い選手を集めてちょいちょい練習して、勝てるような、そんな甘いもんじゃない」と野球や男子サッカーを指して批判していたが、ソフトボールの北京五輪での戦い方を見ていると「まさにその通り!」と思う。
ソフトボールの場合、ページシステムという特性を理解して、予選リーグではもともと「2位狙い」の戦い方をした。
つまりエース上野投手を温存し(シュートボールをアメリカ戦まで使用せず)、オスターマンの投球のクセ(投球フォームによってライズボールかドロップかがはっきりしている)を見抜いていることがバレないような戦い方だ。(予選リーグの結果はコールド負け)
では野球はどうか。
「短期決戦は気持ちの勝負」「〇○を信じて心中する」「ストライクゾーンへの不信感、恐怖感があった」など、まるで「国際大会で勝負するような準備や戦術ができていない発言」ばかりだ。
街のインタビューでも星野監督に期待していたのは「勝負に徹する厳しさ、非情さ」を挙げていた人が多い。
しかし、故障や結果が出ていない選手を使い続けた。
また、決勝トーナメントに残った韓国、キューバ、アメリカは日本より早く代表チームを発表していたし、日本は早々と北京五輪出場権を得ていたのだから、代表選手のデータを分析する時間はたっぷりとあった。
また、国際審判の判定のバラツキも想定された話だし、遅くとも予選リーグの間に集める時間はあったはずだ。
やるべきプロセスを反省せずに「申し訳ない」「責任はすべて俺」と問題点の検証を頬被りしてしまうような星野監督の発言はなんだかさびしい。
半年後のWBC(ワールドベースボールクラシック)の首脳陣は、短期決戦の特性を理解した準備と戦術がとれる人材を選んで欲しいな、と思う。
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