詳細は7月22日版の紙面に紹介されていたが、概要を整理すると、
・国内の主要100品目のうち10品目でシェアの首位が交代
・市場が拡大したのは50品目
・上位3社のシェアが向上したのは半数以上
が主な内容。
分野別に見ていくと、
軽自動車:スズキからダイハツへ
⇒34年間首位を走っていたスズキが陥落し、ダイハツが初の首位へ。
⇒追い風は、ガソリン価格の高騰と環境意識の向上。低燃費志向により燃費効率改善効果のあるCVT(無段変速機)搭載車が好調。
インクジェットプリンター:セイコーエプソンからキャノンへ
⇒キャノンは3年ぶりに首位へ。
⇒追い風は、インフレ。デザイン性に優れ、価格が1万円強と2台目需要を促した。
住宅:大和ハウス工業から穴吹工務店へ
⇒追い風は、インフレ。低価格住宅の需要が全国的に伸びた。
冷凍食品:加ト吉からニチレイへ
⇒追い風は、ミートホープの食肉偽装事件。この事件により、加ト吉の取引は減り、シェアは急降下。
クレジットカード:ジェーシービーから三菱UFJニコスへ
⇒要因は、業界再編。
音楽ソフト:ソニーミュージックエンターテイメントからエイベックスへ
⇒追い風は、着うた機能付き携帯電話の普及。
⇒若年層の音楽ニーズを的確につかむ。
こうしてみていくと、まさに栄枯盛衰。
業界再編やトップ企業の不祥事による首位交代はともかく、その他は、時代背景や市場のニーズを的確にキャッチしてそれにうまく対応している。
「風がいまどこに吹いているか」では対応は遅く、「風がどこに吹いていくのか」を素早く把握しなければ勝てないのであろう。
同時に発表された「26品目の世界シェア」を見ると、日本企業が首位なのは7品目で、これは昨年より3品目減少している。
26品目の国または地域の分布は、
アメリカ:8品目
日本:7品目
欧州:6品目
韓国:5品目
である。
特筆すべきは、韓国の5品目。しかも、5品目すべてがサムスングループ。
日本と同様資源のない韓国は、日本の成長モデルを真似たのだが、電機製品の市場供給量は肩を並べたと言うより、すでに超えているともいえるだろう。
財閥解体が功を奏したのであろう。
かつての日本、とりわけ明治維新の頃の日本は、時代の潮流を素早く読み取り、西欧化に着手した。
現在は、アジア諸国は変革を求められている時代であるが、日本の動きは遅く、韓国の動きは早いと思う。
日本全体の「風を読む力」はなぜ低下したのだろう?
原因は、政治家?それとも官僚体制のせい?いつまでも一流国でいられると言う国民全体の勘違い?
おそらく、そのいずれもが現状を表しているといえるのかもしれない。
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