この言葉は、2008年5月5日に開催されたシンクロナイズドスイミング日本選手権最終日に中国の代表チームを率いる井村雅代ヘッドコーチが日本の現状を言い表した言葉だ。
井村コーチは顔を見れば多くの人が分かると思うが、シンクロが五輪で正式種目になった1984年のロサンゼルス五輪から2004年のアテネ五輪まで20年以上も日本代表を指導し、毎回メダルを獲得してきた。
しかし、「このままでは日本がダメになると思い外の世界を見たかった」と中国のコーチに就任した。
スポーツ評論家の中には井村さんの行動を「日本への裏切り」と評する人もいるが、私は昔からの有名な逸話(ことわざ?)である「獅子は我が子を千尋の谷から突き落とす」ということばを思い出す。
つまり、「這い上がって来い」という親心的な行動であり、情報発信をしたいのだと思う。
「日本をもっと強くするために客観的に日本を観察し、何が足りないのかを知り、情報を発信する」仕方には、
・今回のようにライバル国のコーチとなって日本に刺激を情報発信する
・日本代表チームの中に入って支援し情報発信する
・学者や評論家など客観的な立場で知見を収集し情報発信する
などがあるが、井村さん(親)はライバルチームを指導して日本チーム(子)を谷底に突き落とすような脅威を与えて「もっと強くする」という道をとったのではないかと思う。
それにしても、日本の現状は井村コーチのいうとおりだと思う。
・中国は長期的戦略で人材の良素材を集める体制ができている
・平均身長が1メートル64の日本代表に比べ、中国代表の平均身長は1メートル72
・対格差より演技に見栄えがない→高得点に繋がらない
・選手も指導者も「熱意」だけでやっている
→人生を賭けるだけの見返りも、強くなるために投資される予算も少ない
などの違いが見られるという。
日本チームの言い分としては「井村さんの言われることは正論であるが、人材集めに足切りを設けたらシンクロを目指す人がいなくなる」という。
確かに、日本のシンクロ界の環境やクラブ経営、戦力強化やその後のバックアップ体制なども含めて考えたら、その通りだろう。
井村コーチの「口撃」は、母国を心配し、憂いだ上での、日本チームへの危機感、指導者たちへの意識改革を煽り、日本におけるスポーツの価値観に対する「問題提起」であり、「愛のムチ」なのだろう。
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