「話をしたいといわれても・・・ね」
「自分にうそはつけない」
上記は安っぽい恋愛ドラマのセリフではない。
前者が現役を引退した元読売ジャイアンツの桑田真澄投手、後者が事実上のFA権行使を表明し、大リーグ挑戦の意向を示した読売ジャイアンツの上原浩治投手の言葉だ。

桑田さんの言葉は、引退を表明し、それを知った渡辺恒雄球団会長が「彼には用がある。話しをしたい」といったことに対してのコメントを記者が求めた時のものだ。
桑田さんは誰もが知っているように「相思相愛」でジャイアンツに1985年に入団した。
しかし、1995年6月の試合で小フライ捕球の際に右肘側副靱帯断裂の重傷を負った。
1997年にカムバックしたが、以前の精彩は欠き、2005~2006年は登板機会が減り「飼い殺し」とも言われた。
本人は他球団への移籍を希望したといわれるが、それは叶わず、裏で球団が妨害したとの噂も出た。
選手としての晩年期はそんな経緯もあったから、桑田さんにとっては渡辺球団会長の発言は、もしかしたら自社の都合しか考えない「ご都合主義」に聞こえたのだろう。

上原投手は、1998年に大リーグのエンゼルスとプロ野球のジャイアンツが争奪戦を繰り広げた結果、結局は上原投手がジャイアンツを逆指名して入団した。
上原投手がプロ野球を選んだ理由として当時は「日本人大リーガーが少なく大リーグ行きに不安があった」ことを挙げている。
その時、同時に「大リーグに行きたいという気持ちがずっと切れなかったら挑戦しよう」と決めていたという。
素人目線であるが、選手としてのピークは4~5年前だった気がするし、正攻法とはいえない強引な手法を使えば、大リーグへの入団も可能だったかもしれない。
しかし、ジャイアンツに入団した以上、「個人成績よりチーム事情優先」の姿勢で自分の真の気持ちを極力抑えてきたのだと思う。
ただ、FA権取得により「個人の本音の気持ちを貫きたい。わがままを許して欲しい」との想いから冒頭のようなコメントを発したのだろう。

桑田さんや上原投手の言葉から分かるように、月並みな表現ではあるが我々にも「仕事は気持ちや想いで選びたい」という面がある。
つまり「お金じゃないよ気持ちだよ」である。
気持ちや想いが通じる人と触れ合い、触発されることによって、仕事に対するやる気や意気込み、モチベーションには大きな違いが出てくる。
逆に、ぞんざいに扱われ、想いがずれていると、気持ちが急激にトーンダウンしていくのが自覚できる。

「想い」の部分は時として「わがまま」と相手に誤解される。
この「解消」には「議論」「討論」「意見すり合わせ」など関係者間のコミュニケーションが重要なのであるが、双方の「考え」が認識し、理解(賛成・反対は別にして)できないと「感情面のみの対立」になるか「どちらか一方がコミュニケーションに蓋をする」状態になる。
相手の考えを理解した上で「そもそもの考え方のところでの一致」が得られない場合は、結果論としては「合意」に至らずとも、すがすがしさがある。
しかし、「考え方が理解できない」時は、結果は「合意」でもなんだかもやもやしたものが残る。
もちろん「双方の考えが一致しているよね?」と思い込む方法もあるが、対処療法であって、どこかで破綻する。(一生、双方の勘違いに気づかないこともある)

「考え」が理解できるためには、想像力と想像するために必要な知識、相手と(激しい)ディスカッションができ得る人間関係が必要なのだ。

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