2007年の8月ごろ「横浜市と大阪市に在籍している職員が、“大学・短大卒なのに高卒と学歴を詐称して採用されていたことで停職など懲戒処分を実施した”」という報道があった。
報道の概要としては、
・受験区分が高卒程度の市立学校給食調理員、学校用務員、ごみ収集職員、バス運転手に大卒者がいる
・消防職員の採用について「受験資格を高卒」としていた時期があるり、大卒者がいる
・懲戒処分の対象者の75%は30代と40代、50%以上が1995年以降の採用
という内容。

この記事を見たときに「バブル崩壊後の就職難があったから、学歴を低く偽って採用試験を受けた人はいるだろうなぁ」、「大学進学者が高校卒業者の半数を超えているから、“高卒程度”が受験資格っていったって、実質高卒みたいな大卒が多いんだよなぁ」と思った。
また、不謹慎なコメントではあるが「受験資格が高卒程度の試験に大卒者が受験し、採用され何か実質的な問題がサービス受益者の市民に何か影響があるの?」とも思った。

もちろん、受験者利益の立場で考えれば「高卒受験者の採用機会が奪われた」ということになるし、また「受験資格が“高卒程度”のところに学歴を低く詐称し受験申請した」のだから虚偽の申請があったわけで、そういったことは確かに問題ではある。

ただ、自治体からのサービスを受益する市民の立場から言えば、より能力の高い人が職員として従事し、サービスを提供してくれた方が、ありがたいはずだ。
またサービスの質を高めていく教育期間も能力素養の高い人を採用した方が短くて済むかもしれないし、それは職員育成に関するコストダウンにもなるかもしれない。

この件に関して、知人達に意見を求めたが、「そもそも採用区分に学歴区分があるのがおかしいんだよ」とか「社会的弱者の障害者採用枠に健常者が受験していたら、それはおかしいけど、学歴は社会的弱者ではないよね」という意見が多かった。
公務員試験において、高卒→一般職員候補生、大卒→幹部候補生 という枠組み自体が古いのかもしれない。
これだけ進学率が高まっている今、「大学に進学する人=キャリア志向」ではない。

先日ニュースで、国家公務員試験の試験区分を現行のⅠ種、Ⅱ種、Ⅲ種区分を止めて、一般職、総合職、専門職の区分にする方向、という記事があった。
また、採用時の区分が違っても入職後の本人の意識や希望、働きぶりによっては区分変更もある制度にするようだ。
全くその方が現実的な制度だよな、と思う。

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