昨日は業界の自主規制に関するニュースが2件あった。
ひとつは社団法人日本たばこ協会が2008年7月までに全国の自動販売機に導入する成人識別ICカード「タスポ(taspo)」、もうひとつは、アダルトビデオメーカーの自主審査機関である日本ビデオ倫理協会幹部の「わいせつ図画頒布ほう助」容疑での逮捕である。
この2件について、ちょっと調べてみた。

「たばこ」については、「未成年者喫煙禁止法」で、
1)満20歳未満のものはたばこを吸ってはならない
2)親や親の代理をする者は、未成年者の喫煙を制止しなければならない
3)たばこ類を扱う販売業者は、販売に際し年齢の確認をしなければならない
4)たばこ類を扱う販売業者は、未成年者が自分で吸うことが分かっている場合には販売してはならない
5)2)に違反した者は科料に、4)に違反した者は50万円以下の罰金に処す
と規定されている。
店頭販売の場合は、店員が年齢を(一応)確認できるが、自動販売機は「年齢を確認して売っていない」ので、タスポの導入は、3)を販売業者として明確にし、強化する目的であろう。

「アダルトビデオ」については、いわゆる「わいせつ物頒布罪」で、刑法175条で規定されている。
(注:刑法175条「わいせつな文書、図画、その他の物を頒布し、販売し、又は公然と陳列した者は、2年以下の懲役又は250万円以下の罰金若しくは科料に処する。販売の目的でこれらを所持した者も、同様とする」と規定)
つまり「日本ビデオ倫理協会」はAVメーカーの多くが加盟し、表現の自由を守りつつ、刑法175条に触れない作品か否かを加盟社の作品について審査している。
審査の方法は、審査員2人が製作会社立ち会いの下、内容や題名をチェックし、必要に応じてモザイク処理などの修整を指示するほか、評議員は加盟社役員らの理事会のほか、憲法学者やマスコミOBらの評議員会などで構成されているそうだから、自主規制の態勢としてはしっかりしている。

私は、ビデ倫幹部の逮捕については、性描写が過激なインディーズ版(ビデ倫に加盟していないメーカーの作品)が増えたことで、ビデ倫が審査する作品の審査が甘くなっている、という巷の声に、警鐘を鳴らす意味で警察が素早く反応したものではないかと思う。
要は「みせしめ」である。

タスポに関しては、テストケースで先行実施していた種子島では、タスポ導入後に一時的に未成年者の補導件数は減ったが、その後結局もとの補導件数に戻ってしまったという。
20歳以上の成年からカードを借りて購入すればいいだけのことだからである。
飲酒運転や酒類販売のように、
・タスポを貸した人も罪に問われる
・自動販売機自体の屋外設置禁止
などにしないと有名無実になってしまうだろう。

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