お役人は自らの仕事について「大我無く無難にこなす」という発想が根底にやはりあるようだ。
先日、廃棄物の指導者講習会(2日間)に参加させていただいた。
講師陣は、環境省の現役の役人、地方自治体の環境担当の役人、環境省関連の外郭団体の職員の方など、バリバリに現場に精通されているツワモノばかりだった。
しかも、ご経歴をお伺いしていると現在は環境省に籍を置いていても、元々は検察庁、県警からの出向者の方もいてとてもバラエティに富んでいた。

講習内容が豊富、かつ、充実していることもあり、座学中心の講習会ではあったが、退屈な時間が少なく、廃棄物に関する廃棄物処理法やリサイクル関連法の内容はもとより、行政面、コンプライアンス面からの知見が得られ、視野が広がった感じだ。
また、月並みではあるが、講演会や講習会を普段「話す側」としての立場が多い身としては、各講師の方の話し方や説明の進め方は大変参考になる。
まさに、いい意味での「人の振り見て我が振り直せ」である。

話しをもとに戻すと、講習会について全般的には、
a)法体系を作るときに色々なことを想定しており、頭脳明晰である
b)廃棄物該当性は総合的判断(物の性状、排出の状況、通常の取り扱い形態、取引価値の有無、占有者の意思)
c)刑罰は後ろ向き指導、行政指導は前向きな指導
d)廃棄物の排出者は「有価物時代の最後の占有者」(大概のケース)
e)排出者が真っ当な廃棄物処理業者を社会に存在させ、悪徳業者を排除させる最大の責任者である
f)(冒頭に述べた)「大我無く無難に仕事を遂行する」が多くの役人の根本思想である
という感想を持った。

特にf)について、例えば、一般的に世間が言う「廃棄物の不法投棄(不適正処理)」であるが、その内容には、
1)ゲリラ的、無差別な廃棄物の放置(いわゆるポイ捨てなど)
2)無許可埋め立て処分
3)自社処分と称した廃棄物堆積
4)一時保管と称した堆積放置(廃タイヤ、硫酸ピッチ等)
4)偽装リサイクル品の堆積放置(木くずチップ、廃プラ等)
5)埋め立て容積超過・品目外埋め立て
6)過剰搬入による処理基準違反
7)処理業者倒産による放置
があるが、行政責任という観点で考えると、列記した順番に重くなる。
特に、6)、7)は「なぜそうなる前に行政は「行政指導」しなかったのか?である。
これらは必ず、不適正処理の兆候として、例えば、
・利用先が明確でない(販売先が不明)
・定期的な搬出が無い(利用計画未定)
・臭いの苦情、施肥と称した処分(不法投棄)
・農地への堆積(不適正保管・処分)
があるそうだ。
こういった兆候を「やり過ごしたい」という思想が根底にあるから、問題がどんどん大きくなってしまい、最悪のケースは「行政代執行」(要は税金投入)による処理なってしまう。

役人の立場にあった人、またはある人が、役人の考えをそのように言われるのだから、そういった体質が根本にはあるのだろう。

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