2009年4月の施行を目指している地球温暖化対策推進法の改正案が2月25日に明らかになった、という報道があった。
改正案のポイントは、
・大規模工場以外(産業分野)のオフィスやコンビニエンスストアなど(業務部門)に対象を拡大
・オフィスや店舗、学校ごとに温室効果ガスの排出量の目標値を設定し、削減手法を国が示す
(目標値は努力義務。空調の効率化や建物の断熱性能の向上など削減手法を国が提示)
・温室効果ガスの排出量が一定規模以上なら工場だけでなく、オフィスや店舗(コンビニエンスストア、百貨店など)単位で算定・報告・公表を義務付ける
(現行法において、業務部門では約13%が対象であるが、改正すると約50%になる)
・家庭部門の排出削減に繋がる規定も設ける
・消費者が製造過程での二酸化炭素排出量や省エネ効果が分かるようメーカーに要求する
(CO2の見える化)

このような地球温暖化対策推進法の改正案の背景には、
・2008年4月から京都議定書の約束期間に入り、5年間に1990年(基準年)比で年平均6%の排出削減が要求されている
・2006年度の排出実績は1990年度比で6.4%増加している
・基準年より業務部門は41.7%、家庭部門は30.4%増加している
などがある。
要は「川上(かわかみ)の産業分野はそこそこ頑張っているが、川下(かわしも)の業務部門や家庭部門の温室効果ガス削減に対する意識や認識、具体的な削減施策は進んでいないから国を挙げて頑張りましょう」ということだ。

先日参加した環境経営システムに関する講習会で「環境に関する現状認識と課題」という表題のついた資料をいただいたが、その資料の中で、
・日本の公害防止、省エネ技術は世界最高水準
(特に、家電、自動車、情報機器の省エネ技術は高く、普及している)
・企業、行政におけるグリーン購入の取り組みが進んでいる
・エコマーク製品の認知状況、認定製品数が非常に多い
・製品に係る環境情報の発信が活発である
・製品、サービスに係るライフサイクルアセスメント(LCA)研究の質が高い
・ISO14001の認証企業数は世界一
・中小企業の環境への取り組みも高い
(エコアクション21やエコステージ、地方版環境経営システムの普及)
・環境報告書の作成、公表企業数が世界一
・環境会計に取り組む企業数が多い
・廃棄物のリサイクル率も世界的には高い
などの現状が示されていた。

しかし、『温室効果ガスの排出量』は業務・家庭分野で増加し『廃棄物の排出量』は大きく減少していないという大きな課題を抱えている。
川下側にいる消費者の環境問題に対する意識や行動を如何にして『日常化』させていくことができるか、が一番のポイントなのだろう。

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