「世界屠畜紀行」(解放社 内澤旬子著)という書籍がある。
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=31824476
内容は、スーパーでパック詰めされた肉について「動物が肉になるまで」を韓国、バリ島、エジプト、イラン、チェコ、モンゴルなどを取材したお話しで、著者の行動力と旺盛な好奇心が伝わってくる。

著者の内澤さんは現在、朝日新聞で連載されている小説の挿絵を手がけるイラストルポライターさん。
この本でも、随所に緻密なイラスト(屠畜風景)が盛り込まれている。
それにしても、本の着眼点が面白い。
確かに現代人は「スーパーで、パック詰めされた肉を買うとき、それがかつて命あったものであることに考えをめぐらすこと」はまずない。
それは、「動物を殺して肉にするプロセス」が、我々現代社会の日常生活から完全に遮断されてしまっているからだ。

著者の内澤さんによれば「屠畜を消費者、一般市民にどう伝えるか」を考えた時に、
「動物の気持ちに立った」「かわいそう、残酷だ」という点よりも「ニュートラルな目線」「屠畜業者を責めない」「屠畜だけでなくそれに関連して付随するものをきちんと伝える」を意識したそうだ。
ただ、本にする時は「屠畜を知りたいと思った人にとりあえず読めるもの、図解のあるもの」という点を考慮したが、正直「読む人なんているの?だけど、知りたい人はいるはずだ」ぐらいの気持ちだったという。

しかし、実際に本を世に出すと、
・TBSのテレビ番組「情熱大陸」や各雑誌でこの本や内澤さんが取り上げられる
http://www.mbs.jp/jounetsu/2007/07_01.shtml
・「いのちの食べ方」という映画の制作に関係する
http://www.espace-sarou.co.jp/inochi/
など周辺環境ががらっと変わった。
「いのちの食べ方」は、11月10日に渋谷シアターで上映され、当初の予想に反して現在も上映される異例のロングランとなっている。
つまり、BSE、O157などの衛生問題や食品偽装事件により「屠畜について知りたい消費者」が増えているのだろう。

今年になっても中国製冷凍食品の農薬物混入事件があり「食の安全」に関するニュースは暇(いとま)がない。
また、多くの屠畜場でISOを活用したマネジメントシステム導入を検討しているという話も聞く。
内澤さんの本をじっくり読んで「屠畜」について考え、好奇心を持って情報を収集して動向を見ていこうと思う。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカルシンキングのススメ メルマガ58号より)

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