10月15日に日本ボクシングコミッション(JBC)は倫理委員会(委員長=斎藤慎一専務理事)を開き、11日の世界ボクシング評議会(WBC)フライ級タイトル戦に関する関係者の処分を発表した。
処分内容は、
○亀田大毅選手:ボクサーライセンス停止1年
○亀田史郎氏(当日はセコンド):セコンドライセンス無期限停止
○亀田興毅選手(当日はセコンド):厳重戒告
○協栄ジムの金平桂一郎会長(亀田選手が所属):クラブオーナーライセンス停止3カ月
で、15日付で発効し、4人は不服があれば異議申し立てができるという。

個人的感覚では妥当な処分ではないかと思う。
全国中継されている世界タイトルマッチでの大毅選手の愚行は、チャンピオンの内藤選手が試合巧者で自分の距離で打たせてくれないからイライラするのはわかるが、やけになって明らかな反則を繰り返したのはプロとはいえない、また、亀田パパ(史郎氏)は今までの試合でも乱闘を助長させる行為などを繰り返しているからライセンス無期限停止は当然だろう。

しかし、大会を主催した日本ボクシングコミッションの対応には問題がなかったといえるのであろうか?
そもそも、WBCルール第38条では「家族のセコンド禁止」の規定がある。
おそらくこの規定が作られたのは今回のような事例の発生を想定しているのだろう。
亀田陣営を若干かばった発言になるが「父や兄がセコンドに付けば必要以上に勝利への思いいれが生じ、冷静なセコンドとしてのアドバイスができなくなる」のは当然ではないかと思う。
内藤陣営では、WBCルールの規定よりJBCに「亀田父兄のセコンド禁止」を申し入れたという。しかし、JBCでは過去に元WBC世界フェザー級王者越本選手と父英武会長らの前例があるとして亀田父兄がセコンドに付くことを容認した。(要は、内藤陣営の申し入れを突っぱねた)
私は、このJBCの判断こそが今回の問題を引き起こした根本原因と考えている。
前例とされた越本会長の場合も問題ではあるが、亀田パパと違うのはボクシング選手歴もあり、多くの選手を育て上げているジムの会長であるから、まだ「師匠」としてセコンドについても客観的な判断やアドバイスができる人物と考えてもいい。
しかし、史郎氏の場合はほぼ息子のみの指導歴(牛若丸あきべぇという選手が史郎トレーナーに弟子入りしているが)であり、今までの行いからとても客観的かつ冷静な判断ができる人物とは思えない。

JBCはなぜ亀田父兄のセコンドを容認したのだろう。
また越本選手の前例より史郎氏のセコンドはOKだったとしてもセコンド資格のない興毅選手のセコンド入りはなぜ容認したのだろう。
JBCは「協栄ジムは有力ジムでありJBC内で発言力がある」「亀田父兄がセコンドに付いたほうが、試合が盛り上がる」「視聴率が取れる(スポンサーであるTBSの要望?)」などよこしまな考えがあったのではないだろうか。
JBCの間違った判断がこの結果を生み出したのだ。
問題を直接起こしたのは亀田家であるが、誘発要因を除去しなかったJBCにも問題がある。

では、JBC内で誰が「亀田父兄のセコンドを容認」したのだろうか?
ウェブサイトでJBCの組織図をみると、ライン組織としては「試合管理事業部」、委員会組織としては「選手権委員会」がある。
この辺の組織が「亀田父兄のセコンドを容認」したのであろう。

13日にJBC審判委員会委員長の森田健氏が「家族セコンドの禁止」「物言い制度」「レッドカード制度」などの導入を提案した。
森田委員長の提案は正論だと思う。
しかし、JBCはその前に「なぜWBCルールを無視して亀田父兄セコンドを許したのか」を検証する必要があると思う。
亀田家の処分だけで問題の本質の究明を終わらせてはいけない。

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