トラウマ

私の職場には［トラウマ］という言葉すら知らない大人がいる。びっくりした。

私は20才になるまで、身近な人を突然亡くしている。その出来事は密かに私の心にトラウマとして残っていた。

父親を突然亡くして、友達も事故で突然亡くなった。
大切な人がまた、突然亡くなってしまったら… と思うと軽いパニックになるくらい恐怖だった。寝てるときに母親が突然亡くなった夢を見たりして、飛び起きたこともある。現実と夢の区別が付かず、しばし呆然とした朝もあった。
だけど、誰かに話したこともないし、話した所で理解してもらえないと思ってたから、心の奥底奥底にしまいこんでいた。

ゆづの中国杯での事故で、心の奥底にしまってあった恐怖が出てきてしまった。フィギュアスケートを見ることすら出来なかった。6分間練習も怖かったし、ひとりで滑ってる映像でもスピードが怖くて見れなかった。
ゆづが大阪に入るまで、ほとんど見なかった。
さすがにこれでは、ゆづの演技が見れない…と思って頑張ってみた。泣きながら中国杯をみた。
そこからは何とかフィギュアスケートを見れているが、ゆづ本人はどれほど怖かっただろうと思う。
SPの演技を見ていて…ずいぶんゆっくりだな…、鈍いな…と思ってた。
体力が落ちたし、練習あんまりしてないからかもって思うことにした。でも違ってなかった。
関係者によると、びくびくしていた…と。やっぱりそうだったんだ、曲調がゆっくりだからかな…っても思ったけど、怖かったんだよ。

私は中国杯の件から思っていた。ゆづの人生は、どうして私の心の恐怖をこじ開けるんだろう。今まで誰も触れたり開けたりしなかったのに…。

ゆづの言葉が私の心に突き刺さる。

もしかしたら神様は、私にトラウマと向き合えと言ってるのかもしれないと。正直、居なくなってしまうと怖いから大切な人はいらない…って思ってた。

ゆづから…僕は死なないよ…って言われてる気がした。

ゆづがトラウマと戦ってるなら、きっと私も自分の恐怖と戦わなければいけないのだろう。

この日記を読んでくれてありがとうございます。